トンネリング
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トンネリングとは、インターネット上の情報通信において、ある通信プロトコルを、同じまたはより上位の階層(レイヤ)のプロトコルのデータとして通信する技術である。この、別のプロトコルのデータとすることを特にカプセル化(encapsulation)という。通信したいプロトコルそのままでは通信することが不可能な場合などに利用される。
実際に通信しているプロトコルをA、カプセル化されて運ばれているプロトコルをBとする場合、B over A という風に呼ぶ。例えば、PPP over SSHや、PPP over Ethernet (PPPoE) などである。Aのプロトコルとしてよく利用されるのはSSHやHTTPである。httptunnelなどの実装がある。Aを「デリバリプロトコル」、Bを「ペイロードプロトコル」と呼ぶ。
トンネリングを利用すれば、二つの直結していない私的なネットワーク(LAN)で利用する情報に一切手を付けずに送受信すること、すなわちインターネットなどの公衆回線を介しながらも二つのネットワークを仮想的に直結することができる。これをVPN(Virtual Private Network)と呼ばれ、PPTPやIPSec、SoftEtherなどの実装がある。この例ではプライベートアドレスからなるIPパケットをグローバルアドレスからなるIPパケットでトンネリングしているが、ペイロードプロトコルとデリバリプロトコルの階層は必ずしも同一である必要はない。
IPv6 over IPv4 トンネル
直接IPv6ではつながっていないIPv6ネットワーク同士を接続するときに、途中IPv4を経由するために使われるのがIPv6 over IPv4トンネルである。