積水化学工業
積水化学工業株式会社(せきすいかがくこうぎょう)は、本店・大阪本社を大阪府大阪市北区に、東京本社を東京都港区に置く、住宅、管工機材、住宅建材や建材用の化成品、高機能プラスチックなどを中心に製造する大手樹脂加工メーカーである。
目次
概要
元々は大財閥日窒コンツェルン(現在のチッソ(事業会社としてはJNC)、旭化成、信越化学工業と出自を同じくする同根企業群)の一部門であったが、戦後の財閥解体に伴い、1947年3月3日に「積水産業」として創業される。1948年に積水化学工業株式会社に社名を変更すると、プラスチックを主力とした化学企業として目覚しい成長を遂げてゆく。
1950年にセロハンテープを開発。1952年には塩化ビニル製パイプの代表的ブランドとして知られる「エスロンパイプ」も開発し、さらに1957年には、同社の商標登録製品として知られる「ポリバケツ」の製造も開始すると、生活必需製品製造会社としての知名度を高めてゆく。
1970年にはユニット工法による住宅「セキスイハイム」を開発。1982年にはユニット工法とツーバイフォー工法を融合させて誕生した「セキスイツーユーホーム」を開発し、現在の同社の収益の根幹を支える事業に成長させた。
積水という社名は、中国最古の兵法書、「孫子」にある「勝者の戦は、積水を千仞の谿に決するがごときは、形なり」に由来している。社章はスリーエスマークである。
主力商品は戸建て住宅で、売上は日本国内4位(太陽光発電住宅で1位)。他には自動車用中間膜の世界シェア40%、塩化ビニル管2位などとなっている。また、日本国内の売上が頭打ちであることから、海外への事業展開も進めている。
2003年に関連企業だった積水工機製作所の保有株式の大半を、日本における試作品関連最大手のアークに売却した。
主な取扱商品
住宅、高機能プラスチックス、環境・ライフラインの3カンパニー制である。
- 住宅
- 積水ハウスの筆頭株主であることで、同社向けの住宅関連の建材に強いパイプを持ち、また自社製品(セキスイハイム)を販売するなどで、同部門は売り上げの半分を占める。しかし、同部門は2007年の建築基準法改正による官製不況、原油価格高による原材料費の高騰により、住宅及び関連建材の売上、利益ともに悪化している。そのため、利益率の高いリフォームや太陽光発電住宅などに力を入れる動きがある[1]。
- 環境・ライフライン
- 日本国内向けが低迷しているため、中国などへの事業展開を図っている[1]。
この他、農業資材、梱包材などの産業資材、バケツやポリ袋、梱包材用テープといった日用品も小規模ながら販売している。ちなみに、「ポリバケツ」は子会社の積水テクノ成型の登録商標である。
かつては、携帯液晶テレビやAMステレオ放送対応の携帯ラジオ受信機を販売していた。
沿革
- 1947年 - プラスチックの総合的事業化を目指し、積水産業株式会社として発足
- 1948年 - 社名を積水化学工業株式会社に改称
- 1953年 - 大阪証券取引所に上場
- 1954年 - 東京証券取引所に上場
- 1961年 - 中央研究所を水無瀬に開設
- 1981年 - 東京・大阪両本社制へ、東京虎ノ門に東京本社を設置
- 1997年 - 小松化成株式会社(現:株式会社ヴァンテック)買収、パイプ事業を強化
- 2000年 - ヒノマル株式会社買収
- 2006年 - 第一化学薬品株式会社買収
- 2007年 - 成形用ABS系シートの製造・販売会社 ALLEN EXTRUDERS,LLC設立
- 2008年 - メディカル事業と第一化学薬品株式会社を統合、積水メディカル株式会社設立
- 2010年 - 中国におけるメディカル事業関連子会社2社を統合、積水医療科技(中国)有限公司設立
- 2011年 - 4月機能フィルム製造会社 積水ナノコートテクノロジー株式会社(旧株式会社鈴寅)買収
関連会社
- 朝霞積水工業株式会社(朝霞市)
- イズモ化工株式会社(出雲市)
- イセキ加工株式会社(八日市場市)
- 茨城セキスイハイム株式会社(水戸市)
- 株式会社ヴァンテック(目黒区)
- ヴァンテック化工株式会社(市原市)
- 株式会社SHR仙台(加美郡加美町)
- 株式会社SW耐火設計(中央区)
- エス・ピー・アールレンタル株式会社(千代田区)
- 株式会社NTTデータセキスイシステムズ(大阪市北区)
- 株式会社エムアンドエスパイプシステムズ(港区)
- 大阪セキスイハイム施工株式会社(大阪市平野区)
- 大阪セキスイハイム不動産株式会社(大阪市北区)
- 岡山積水工業株式会社(岡山市)
- 香川セキスイハイム株式会社(高松市)
- 香川セキスイファミエス株式会社(高松市)
- 鹿積化工株式会社(出水市)
- 関西セキスイ工業株式会社(奈良市)
- 関東セキスイ工業株式会社(笠間市)
- 北日本セキスイ工業株式会社(岩見沢市)
- 九州セキスイ建材株式会社(福岡市南区)
- 九州積水工業株式会社(神埼市)
- 九州セキスイハイム不動産株式会社(久留米市)
- 九州農材株式会社
- 有限会社九州農材
- 群馬セキスイハイム株式会社(前橋市)
- 群馬セキスイハイム不動産株式会社(前橋市)
- 群馬セキスイファミエス株式会社(前橋市)
- 高知セキスイファミエス株式会社(高知市)
- 埼積工業株式会社(南埼玉郡白岡町)
- サセキ化工株式会社(猿島郡総和町)
- 山陰セキスイ商事株式会社(出雲市)
- サンエス千代田株式会社(神埼市)
- 三積工業株式会社(鳥栖市)
- 四国積水工業株式会社(西条市)
- 四国セキスイハイム株式会社(松山市)
- 四国セキスイファミエス株式会社(松山市)
- 静岡積水パネルタンク株式会社(磐田市)
- 新日東鋼管株式会社(盛岡市)
- 株式会社住環境研究所(千代田区)
- 上武積水株式会社(伊勢崎市)
- 株式会社清流メンテナンス(吹田市)
- 積畳メンテ株式会社(大阪市北区)
- 株式会社セキスイアカウンティングセンター(大阪市北区)
- 積水アクアシステム株式会社(大阪市北区)
- 積水アクアテック株式会社(大阪市北区)
- 積水尼崎化工株式会社(尼崎市)
- 株式会社積水インテグレーテッドリサーチ(大阪市淀川区)
- セキスイインテリア株式会社(中央区)
- セキスイエクステリア株式会社(港区)
- セキスイエステート中国株式会社(岡山市)
- 積水エンジニアリング株式会社(京都市南区)
- セキスイオアシス株式会社(名古屋市瑞穂区)
- 積水化学北海道株式会社(岩見沢市)
- 積水化成品工業株式会社(大阪市北区)
- セキスイ管材テクニックス株式会社(栗東市)
- セキスイ・グローバル・トレーディング株式会社(港区)
- 株式会社積水興産(大阪市北区)
- 株式会社セキスイサインシステム(目黒区)
- 積水樹脂株式会社(大阪市北区)
- 積水成型工業株式会社(大阪市北区)
- 積水テクノ商事西日本株式会社(大阪市北区)
- 積水テクノ商事東日本株式会社(港区)
- 積水テクノ成型株式会社(奈良市)
- セキスイドキュメントサービス株式会社(大阪市北区)
- セキスイハイム九州株式会社(福岡市中央区)
- セキスイハイム近畿株式会社(大阪市北区)
- セキスイハイムクリエイト株式会社(港区)
- セキスイハイムサプライ九州株式会社(鳥栖市)
- セキスイハイムサプライ西日本株式会社(奈良市)
- セキスイハイムサプライ東日本株式会社(中央区)
- セキスイハイム山陽株式会社(姫路市)
- セキスイハイム信越株式会社(松本市)
- セキスイハイム中国株式会社(岡山市)
- セキスイハイム中部株式会社(名古屋市中村区)
- セキスイハイム東海株式会社(浜松市中区)
- セキスイハイム東北株式会社(仙台市青葉区)
- セキスイハイム東四国株式会社(高知市)
- セキスイハイム不動産株式会社(台東区)
- セキスイパーソネル株式会社(中央区)
- 株式会社セキスイビジネスアソシエイツ(大阪市北区)
- セキスイファミエス九州株式会社(福岡市中央区)
- セキスイファミエス近畿株式会社(大阪市北区)
- セキスイファミエス信越株式会社(松本市)
- セキスイファミエス中国株式会社(岡山市)
- セキスイファミエス中部株式会社(名古屋市西区)
- セキスイファミエス東北株式会社(仙台市青葉区)
- 積水フィルム株式会社(大阪市北区:旧積菱ビニル)
- 積水フィルム九州株式会社(出水市)
- 積水フーラー株式会社(大阪市北区)
- セキスイ保険サービス株式会社(大阪市北区)
- 積水ホームテクノ株式会社(大阪市淀川区)
- セキスイボード株式会社(甲賀市)
- 積水ポリマテック株式会社(港区)
- 積水水口化工株式会社(甲賀市)
- 積水武蔵化工株式会社(蓮田市)
- セキスイメディカル電子株式会社(長浜市)
- 積水屋根システム株式会社(大阪市北区)
- セキスイルーフテック株式会社
- 株式会社セキヨウ(岡山市)
- 仙積化工株式会社(亘理郡亘理町)
- タイハク株式会社
- 積水メディカル株式会社(中央区)
- 第一鋼管株式会社
- 中四国セキスイハイム工業株式会社(岡山市)
- 中部セキスイ工業株式会社(豊橋市)
- 中部セキスイ商事株式会社(春日井市)
- 株式会社帝物(練馬区)
- 東京セキスイ工業株式会社(蓮田市)
- 東京セキスイ商事株式会社(港区)
- 東京セキスイハイム株式会社(台東区)
- 東京セキスイハイム施工株式会社(蓮田市)
- 東京セキスイファミエス株式会社(台東区)
- 東積加工株式会社(太田市)
- 東都積水株式会社(港区)
- 東北積住株式会社(亘理郡亘理町)
- 東北セキスイ商事株式会社(仙台市若林区)
- 徳山積水工業株式会社(周南市)
- 栃木セキスイハイム株式会社(宇都宮市)
- 名古屋セキスイハイム不動産株式会社(名古屋市中村区)
- 奈積精密加工株式会社(生駒郡安堵町)
- 西日本セキスイ工業株式会社(鳥栖市)
- 西日本セキスイ商事株式会社(大阪市北区)
- 日本ノーディッグテクノロジー株式会社(千代田区)
- 東日本セキスイ工業株式会社(亘理郡亘理町)
- ヒノマル株式会社(熊本市:肥料、農業用品、産業資材、管工機材、食品トレー)
- 廣積化工株式会社(大竹市)
- ホウセキ化工株式会社(加東市)
- 北積加工株式会社(岩見沢市)
- 株式会社北積ハイム製作所(岩見沢市)
- 北海道セキスイ商事株式会社(札幌市東区)
- 北海道セキスイハイム株式会社(札幌市北区)
- 北海道セキスイファミエス株式会社(札幌市北区)
- 株式会社北方住文化研究所(札幌市北区)
- 武蔵積栄サービス株式会社(蓮田市)
- 有限会社ユーアイ
- 四積化工株式会社(西条市)
- 栗東積水工業株式会社(栗東市)
- 立積住備工業株式会社(奈良市)
- 渡辺産商株式会社(大阪市西区)
関係会社
かつての連結対象・持分法適用会社
- 積水ハウス - 同社の元住宅事業部を分社化して設立。その後、トーヨド建設(後の積水ハウス木造)を買収ののち吸収合併。2000年以降に同社の持ち株比率が議決権ベースで3割を割ったため連結対象から事実上除外される。
- 積水工機製作所 - 同社がプラスチック関連の金型をグループ内で内製化するため全額出資で設立。が、バブル崩壊後に低迷が続くなどして、アークへ保有株式の大半を売却、連結対象外へ。
- 積水リース - 同社の元リース事業を母体に設立。バブル崩壊等による平成不況や金融不安などが度重なり、リース事業子会社であった同社を日立系の金融関連子会社・日立キャピタル(当時社名:日立クレジット)にほとんどの保有株式を売却した。
スポーツ活動
1997年に創部された女子陸上部には鈴木博美、高橋尚子などが所属していた。2000年9月24日、シドニーオリンピック女子マラソンで当時社員だった高橋尚子が金メダルを獲得したことで、一躍名が売れた。
現在では、世界フィギュアスケート選手権のリンクスポンサーとして一躍有名になった。また、全日本選手権競漕大会の特別協賛としても知られている(大久保尚武現会長はオリンピックボート競技日本代表歴があり、日本ボート協会会長も兼任している)。
かつては硬式野球部を持ち、京滋(京都市)代表として都市対抗野球大会に出場、昭和38年の第34回大会では初優勝。チームはそのまま日本代表としてこの年に韓国・ソウルで開催されたアジア野球選手権に出場したが、決勝で韓国に敗れ準優勝。現在は廃部。
また、女子バスケットボール部「積水化学リベルテ」もあり、日本リーグにも在籍していたが、1999年に廃部となった。
テレビスポンサード活動
テレビ番組の冠スポンサーとして下記番組などのテレビ番組のスポンサーを務めていた。現在は主力商品のセキスイハイムを中心に提供。
- 1社提供番組『トークロータリー おとなの学校』(毎日放送制作・テレビ朝日系列全国ネット)
- 『おはようワイド・土曜の朝に』と後番組『土曜だエブリバディ!』(朝日放送制作・テレビ朝日系列全国ネット)
- 前半1社提供番組『ワンダーゾーン』→『関口宏のびっくりトーク ハトがでますよ!』 (よみうりテレビ制作・日本テレビ系列全国ネット)
- 『輝け!噂のテンベストSHOW』(よみうりテレビ制作・日本テレビ系列全国ネット。番組自体は1996年9月までだが、前半1社提供は1996年3月まで。以降は同社を含む複数社提供となり、前半・後半パート枠を1枠に統一。)
- 1社提供番組『道浪漫』(毎日放送制作・TBS系列全国ネット)
- 30秒×2本『木曜ゴールデンドラマ』(よみうりテレビ制作・日本テレビ系列全国ネット)
- 30秒×2本『THEワイド』(よみうりテレビ・日本テレビ共同制作全国ネット)
- 30秒×2本『全日本大学女子駅伝』(朝日放送制作・テレビ朝日系列全国ネット、1987年)
- 30秒×2本『大阪国際女子マラソン』(関西テレビ制作・フジテレビ系列全国ネット、2000年)
- 30秒×2本『名古屋国際女子マラソン』(東海テレビ制作・フジテレビ系列全国ネット、2000年)
- 30秒×2本『FNS27時間テレビ』((フジテレビ制作・フジテレビ系全国ネット、2010年 - )※土曜のゴールデン・プライムタイム、但し2010年のみ更に日曜の朝に30秒提供
提供読みのキャッチフレーズ
- 新技術で21世紀を面白く・積水化学
- 一緒に暮らそ、セキスイと・積水化学
- 先端を日常へ―サプライズ 積水化学(現在)
その他
- VFX採用の実写映画「ALWAYS 続・三丁目の夕日」のキャンペーンCMスポンサーの一社としても知られる。