魔神バンダー
テンプレート:基礎情報 テレビ番組 『魔神バンダー』(まじんバンダー)は、1969年1月5日から同年3月30日までフジテレビ系で全13話が放送された特撮テレビ番組。放送時間は毎週日曜18:00 - 18:30(JST)。
製作は『怪獣マリンコング』を制作したニッサンプロダクションの後継であるNMCプロ[1][2]。
概要
本作は、1960年代半ばに手塚治虫の『魔神ガロン』をフジテレビで放映しようとパイロット版を制作したもののお蔵入りしたため[2][3]、それを参考にする形で東連山が原作を担当して企画が進められた。当初、全26回の制作が予定されていたが、半分の13回に短縮された。制作自体は1966年テンプレート:Refnestに終了し[1][2]、1967年7月2日より毎週日曜19:30 - 20:00で放送予定[4]だったが、当時日曜18:30で放送中の『リボンの騎士』が「視聴率低迷」を理由に6月25日放送分で一旦休止(結局は30分繰り上げ。詳細は本項参照)、そして19:00の『マッハGoGoGo』の30分繰り上げで、新たに日曜19:00 - 20:00に1時間演芸番組『爆笑ヒットパレード』を設置するため、本作は時間どりを再検討する[5]ものの、結局は放送が延期され、1969年になってやっと放映されることとなった。
この作品は通常の特撮ヒーロー番組の「変身するヒーロー」と違い、『大魔神』のように守護神バンダーが怒ると頭部が入れ替わり「魔神」バンダーになるという珍しい形態であった。
ストーリー
パロン水星から水爆の数千倍の威力を持つ宇宙エネルギー・オランが持ち去られた。オランを取り戻すため、パロンの王子と X1号が守護神バンダーとともに地球にやってくる。異形の怪人(手がハサミ状の王子たちの事)の出現に政府は武装警官隊を出動させ攻撃を開始。王子は身を守るため守護神バンダーを呼ぶ。その頃、悪人ゴーダーは、オランを使って世界征服をしようと企んでいた。王子たちが地球に来た目的を知った立花博士は、王子たちに協力し、魔神バンダーとともにオランを取り戻すため、ゴーダーたちと戦う。
スタッフ
- 原作:東連山
- 制作:伊藤康祐、東連山、滝澤勝治
- 監督:堀内真直、西河健治
- 脚本:浜田洋、上田しげし
- 特技監督:上村貞夫
- 音楽:大森盛太郎、横山菁児
- 撮影:井上寛、柳沢春雄
- 特殊撮影:常田弘之
- 特殊美術:池田宗弘、高橋章、前沢美朝
- 照明:村瀬信夫、井上清
- 美術:大橋豊一、佐藤袈裟考
- 編集:八木戸寛
- 助監督:土屋源次、市古賢次、美坂哲也、浦上不司止
- 撮影助手:井上勝、藤井敏貴、永井石成
- 照明助手:島村金次
- 美粧:工藤まさ子、矢吹京子
- 記録:八木戸春代、東紀子
- 制作進行:長尾茂久
- 現像:PCL、東洋現像所
- 録音:日本録音センター
- 効果:協立音響効果
- 小道具:日本芸能美術
- 制作主任:萩原徳三、山口謙二
- 協力:日本国内航空、トヨタ自動車販売株式会社
- 主題歌:「魔神バンダーの歌」(クラウンレコード)(作詞:吉岡治 / 作曲:若月明人 / 歌:佐々木梨里)
キャスト
- パロン王子:角本秀夫
- 立花(宇宙学者):湊俊一
- 映子(立花の助手):加川淳子
- 犬山五郎(青年科学者):浅香春彦
- ローズ(ゴーダーの秘書):佐藤友美
- バーンズ(アメリカンレポート記者):フレッド・マイケル・ボサート
- エミー原田(アメリカンレポート特派員):吉野妙子
- X1号(パロン王子の護衛):平松慎吾
- バンダー:菊池英一
- ナレーター:納谷悟郎
放映リスト
放送日 | 放映回数 | サブタイトル |
---|---|---|
1969年1月5日 | 第1回 | |
1969年1月12日 | 第2回 | |
1969年1月19日 | 第3回 | 輸送船を撃沈せよ |
1969年1月26日 | 第4回 | 潜水艦を爆破せよ |
1969年2月2日 | 第5回 | ミサイル基地を撃破せよ |
1969年2月9日 | 第6回 | エネルギーを取りもどせ |
1969年2月16日 | 第7回 | |
1969年2月23日 | 第8回 | 宇宙少年を誘拐せよ |
1969年3月2日 | 第9回 | 防衛基地を爆破せよ |
1969年3月9日 | 第10回 | 怪物体の謎を解明せよ |
1969年3月16日 | 第11回 | エミー危機一髪 |
1969年3月23日 | 第12回 | 怪獣アメ-ルバー |
1969年3月30日 | 第13回 |
サブタイトルは本放送時には無かったが、再放送時に一部新聞のテレビ欄に数回サブタイトルが掲載された事がある(リストのサブタイトル欄に記載)。
最終回
最終回の内容は、 オランを取り戻し、パロン水星へ帰ろうとする王子達だったが、突然狂った科学者が強力な水爆を作り、それを発射しようとした。これが爆発すると日本は滅んでしまうのだ。立花博士の出したたった一つの対処法は、「バンダーにオランを抱えさせ、水爆に激突する」というものだった。バンダーが死んでしまったら帰れなくなる為、王子達は反対するが、結局実行する事になり、ついにバンダーは激突し、大爆発してしまう。故郷へ帰れなくなり、悲しみにくれる王子達を慰める為に、立花博士は「同期の桜」をバックに、特攻隊の話を始める、というものであった。
再放送・ビデオソフト化
1970年代に何度か再放送が行われたたが、その後再放送されることはなくなった。1984年に『怪獣マリンコング』がトランスグローバル社からビデオ化されることとなり、『宇宙船』(vol.18)誌上で記事として取り上げられた際には、企画の第2弾として本作のビデオ化が仄めかされたが、結局実現することはなかった模様。
平成に入ってからは唯一、1994年6月に中京テレビの特撮番組再放送枠『今甦る!昭和ヒーロー列伝』で第1話、第5話、第13話が再放送された。しかし、これを最後に(2013年現在)CS等でも全く再放送は無く、ビデオソフト化もなされていない。なお、トランスグローバル社は本作の版権およびネガフィルムを現在でも所有している。
かつて日本テレビ系で放送されていた『スーパーJOCKEY』では部分的に映像が流れたことがある。
漫画版
本編製作が遅々として進まない中、虫プロから話を受けた井上智が『冒険王』で昭和40年11月号テンプレート:Refnestから連載を開始、番組終了後の昭和44年12月号で完結した。本誌連載のストーリー漫画の他、『別冊 冒険王』『冒険王 増刊号』に掲載された短編漫画がある。井上は、NMC から受け取ったバンダーのデザインがあまりにかっこわるかったので勝手に変更した事、脚本担当者がいなくなったため第二回以降はオリジナルストーリーになっている事を、「懐漫市 第3号」のインタビューで語っている。
2010年に「マンガショップ」から全4巻で単行本化された。
また、テレビ版のエンディングでも井上智の原画が使用されている。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 テンプレート:Cite book
- ↑ 2.0 2.1 2.2 テンプレート:Cite book
- ↑ テンプレート:Cite book
- ↑ 1967年6月9日付け「産経新聞・夕刊」8面の番組関連記事
- ↑ 1967年6月20日付け「産経新聞・夕刊」10面の番組関連記事