「タマムシ」の版間の差分
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2013年10月7日 (月) 01:16時点における最新版
タマムシ(玉虫、吉丁虫)とは、コウチュウ目タマムシ科(Buprestidae)に属する昆虫の総称である。
ヤマトタマムシ
タマムシ科には日本にも多くの種類があるが、日本人が一般的に思い浮かべるのは、標準和名タマムシ(ヤマトタマムシ[1]、学名 Chrysochroa fulgidissima (Schonherr, 1817))だろう。北海道には生息しない。細長い米型の甲虫で、全体に緑色の金属光沢があり、背中に虹のような赤と緑の縦じまが入る、とても美しい昆虫として好まれる。天敵である鳥は、「色が変わる物」を怖がる性質があるため、この虫が持つ金属光沢は鳥を寄せ付けない。エノキやケヤキなどの広葉樹の上を昼に飛び(成虫の餌はケヤキなどニレ科植物の葉である)、夜間は葉の裏でじっとしている。 幼虫は枯れ木の材に潜り込み、それを餌として生活する。
日差しの強いときに飛翔、よく活動する。エノキやケヤキ、槇などの高所の幹をのこぎりで挽くとその香りを求めて切り口付近にはよく集まり、数匹で乱舞することもある。一方で垣根の乾燥した竹や一本だけ突き出た枯れ枝でに日光浴する個体もよく見かけるが、警戒心が強く、2m位に近づくとぴたりと動きを止め、更に近づくと飛び去ったり、茂みに落下したりして姿を消す。
衰弱したナツメの幹の周囲をせっせと数十分間も徘徊しながら腹を節目に数秒間差し込んで産卵する。
この種類の鞘翅は、死んでも色が変わらないので、装身具に加工されたり、法隆寺宝物「玉虫厨子」の装飾として使われている。加工の際には保存性を高める為にレジンに包む事もある。
どのようにも解釈ができ、はっきりとしないものの例えを玉虫色というのはこの虫に因む。
日本では「タマムシを箪笥に入れておくと着物が増える」という俗信がある。
下位分類
日本で200種、世界で15,000種余りが知られる。
- ケシツブタマムシ属 Mastogenius
- フナガタタマムシ属 Acmaeodera
- モンキタマムシ属 Ptosimaa
- ツブタマムシ属 Paratrachys
- ルリタマムシ属 Chrysochroa - ヤマトタマムシ
- ツマベニタマムシ属 Tamamusia
- ムネスジタマムシ属 Chrysodema
- ウバタマムシ属 Chalcophora
- マダラタマムシ属 Nipponobuprestis
- クロホシタマムシ属 Ovalisia
- キンヘリタマムシ属 Poecilonota
- コモンタマムシ属 Descarpentriesina
- フタオタマムシ属 Dicerca
- クロタマムシ属 Buprestis
- アオタマムシ属 Eurythyrea
- ヒメヒラタタマムシ属 Anthaxia
- ツヤヒメマルタマムシ属 Kurosawaia
- ヒメマルタマムシ属 Philanthaxia
- ムツボシタマムシ属 Chrysobothris
- ナカボソタマムシ属 Coraebus
- チビナカボソタマムシ属 Nalanda
- クリタマムシ属 Toxoscelus
- ムナビロタマムシ属 Sambus
- ナガタマムシ属 Agrilus
- ホソツツタマムシ属 Paracylindromorphus
- ケシタマムシ属 Aphanisticus
- エグリタマムシ属 Endelus
- チビタマムシ属 Trachys - クズノチビタマムシ
- ヒラタチビタマムシ属 Habroloma
脚注
- ↑ 日本産昆虫学名和名辞書(昆虫学データベース)
関連項目
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参考文献
- 木野田君公 『札幌の昆虫』 北海道大学出版会、2006年、ISBN 4-8329-1391-3。