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牛をつないだ椿の木
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『'''牛をつないだ椿の木'''』(うしをつないだつばきのき)は[[新美南吉]]作の[[児童文学]]。南吉最晩年の作品。南吉の生前に計画され、死の直後に刊行された童話集「[[新美南吉#作品|牛をつないだ椿の木]]」([[1943年]])に収載された。 初出は「少国民文化」(1943年)。 ==あらすじ== 人力車夫の海蔵と牛ひきの利助が山道から100mほど入った湧き水を飲みにいったすきに、道の椿の根元につないでおいた利助の牛が椿の葉をすっかり食べてしまった。そこへ地主が通りかかり、利助はさんざん怒られる。利助と海蔵は「湧き水がもう少し近くにあればなぁ」と言い合う。 海蔵は井戸掘りの新五郎に会い、井戸を掘るのに必要な値段とあのあたりで井戸が掘れるかを聞く、新五郎はあのあたりは掘れば水は出るだろうと請け合うが、その値段は海蔵には払えそうにない。利助が最近山林で大金を手にしたことを聞いた海蔵は、みんなのために井戸を掘るお金を出してくれるように頼むが、断られる。次に海蔵は募金箱を作るが、誰も協力してくれない。 自分でやるしかないと決意した海蔵は、仕事の合間の菓子を食べるのもやめて貯蓄に励む。2年経ってお金が貯まり、井戸を掘らせてもらおうと地主のところに行くが、許してもらえない。帰りかけた時、地主の息子が声をかけ、自分の代になったら井戸を掘らせてあげようと約束する。海蔵は喜んで母親に、地主は病気であと二、三日で亡くなるだろうから井戸が掘れる、と話す。母親は、人が死ぬのを望むのは悪いことだ、とたしなめる。翌日、海蔵は再び地主のところへ行き、自分が地主の死を望んだことをわびて他の土地を探すことにしたと告げる。地主は海蔵の潔さと私心のなさをほめ、井戸を掘ることを許した。 時が流れ、海蔵は日露戦争に召集された。見送りの行列が海蔵の井戸にさしかかると子供が水を飲んでいた。子供たちの後から水を飲んだ海蔵は人のためになる仕事ができたのだと実感し、思い残すことはないと思う。海蔵は戦争から帰らなかった。 井戸はその後も道を通る人ののどを潤し続けた。 ==関連図書== *童話集 新美南吉童話集 岩波文庫 ISBN 4003115015 ==外部リンク== *[http://www.aozora.gr.jp/cards/000121/card638.html 『牛をつないだ椿の木』:新字新仮名]([[青空文庫]]) *[http://www.nankichi.gr.jp/ 新美南吉記念館] {{デフォルトソート:うしをつないたつはきのき}} [[Category:新美南吉]] [[Category:日本の創作童話]]
牛をつないだ椿の木
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