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「'''他人の足'''」は[[大江健三郎]]の初期に書かれた短編小説。 == 梗概 == 僕らは脊椎カリエスを患い病院のベッドに横たわり続けている。今までもこれからも。病院は惰性に包まれた閉じた世界だった。ある日一人の大学生が新たに僕らの病院に入ってきた。彼は病院の独特の雰囲気に耐え難いものを感じ、それを改善する会を結成すると僕に言った。僕は冷静な眼で見続けた。彼が外から来た人間だという事をひしひしと感じていたから。 やがて彼はその活動に成功し始めた。そして病院は明るい雰囲気に変わっていった。 彼は手術をしてその後用心しながら歩く事に成功した。しかし彼が病室に入ってきた時、曖昧な硬い表情をしているのを見て、僕は、何故自分の足の上に立っている人間は非人間的に見えるのだろう、と感じた。 結局、あいつは贋物に過ぎない、そして僕はずっと彼を見張っていたのだから、という勝利の感情もすぐに消えた。そして病院は元の空気に戻っていった。 == 出版 == 『死者の奢り・飼育』新潮文庫 (解説:江藤淳) ISBN 4-10-112601-1 * 死者の奢り * '''他人の足''' * [[飼育 (小説)|飼育]] * 人間の羊 * 不意の唖 * 戦いの今日 (以上収録作品) {{DEFAULTSORT:たにんのあし}} [[Category:日本の短編小説]] [[Category:1957年の小説]] [[Category:大江健三郎の小説]] [[Category:闘病を題材とした作品]]
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