ヨハネス・ブラームスのソースを表示

{{出典の明記|date=2009年2月|ソートキー=人1897年没}}
{{Infobox Musician <!--Wikipedia:ウィキプロジェクト 音楽家を参照-->
| Name                = ヨハネス・ブラームス<br />{{lang|de|Johannes Brahms}}
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{{Portal クラシック音楽}}
'''ヨハネス・ブラームス'''（{{lang|de|'''Johannes Brahms'''}}, [[1833年]][[5月7日]] - [[1897年]][[4月3日]]）は、19世紀[[ドイツ]]の[[作曲家]]、[[ピアニスト]]、[[指揮者]]である。[[ヨハン・セバスティアン・バッハ|バッハ]]（Bach）、[[ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン|ベートーヴェン]]（Beethoven）と共に、ドイツ音楽における「三大B」とも称される。[[ハンブルク]]に生まれ、[[ウィーン]]に没する。作風はおおむね[[ロマン派音楽]]の範疇に属するが、[[古典派音楽|古典主義]]的な形式美を尊重する傾向も強い。

一部には、ブラームスをして[[ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン|ベートーヴェン]]の後継者ととらえる人もおり、指揮者の[[ハンス・フォン・ビューロー]]は彼の[[交響曲第1番 (ブラームス)|交響曲第1番]]を「[[交響曲第10番 (ベートーヴェン)|ベートーヴェンの交響曲第10番]]」と評した。<!--その通称は未だに広く使われている。：現在ではそのように呼ぶことはあまり一般的ではありません。-->

== 生涯 ==
[[File:Brahms geburtshaus in Hamburg.jpg|thumb|left|100px|ハンブルクの生家]]

[[ハンブルク]]で生まれる。彼に最初の音楽レッスンを行った父は、市民劇場の[[コントラバス]]奏者であった。ピアノの早熟な才能を現し、10歳で作曲家でピアニストのエドゥアルド・マルクスゼンに師事。[[レストラン]]や[[居酒屋]]でピアノを演奏することによって家計を支えた。

ブラームス自身はピアニストとして確かな腕を持っていたが、同時代の名手と比べると地味な存在であり、後に作曲専業になることを決意してほとんど演奏活動からは手を引く。しかしながら、[[1859年]]と[[1881年]]には、[[ピアノ協奏曲第1番 (ブラームス)|ピアノ協奏曲第1番]]と[[ピアノ協奏曲第2番 (ブラームス)|ピアノ協奏曲第2番]]の初演を自ら行っている。

[[File:Johannes Brahms 1853.jpg|thumb|left|100px|若き日のブラームス（1853年）]]
その後、作曲を始めたものの、[[1851年]]になるとすでに自己批判から作品を廃棄し始めていた（19歳以前の作品は記録が残るのみでまったく現存しない）。[[1853年]]にハンガリーのヴァイオリニスト・[[エドゥアルト・レメーニ]]と演奏旅行に行き、彼から[[ジプシー]]音楽を教えてもらったことが創作活動に大きな影響を及ぼした。この旅行中に [[ヨーゼフ・ヨアヒム]]、[[フランツ・リスト]]と[[ロベルト・シューマン]]に会って作品を見てもらった。シューマンは、「新しい道」と題する評論を「[[新音楽時報]]」誌に発表してブラームスを熱烈に賞賛し、聴衆にブラームスの作品を広めるために重要な役割を演じた。ブラームスは14歳年上のシューマンの妻[[クララ・シューマン|クララ]]と知り合い、1854年のシューマンの投身自殺未遂と2年後の死以降も、生涯に渡って親しく交流を続けることになった。1855年ごろのクララへの手紙の中で彼女のことを「君」と表現するなど、恋愛に近い関係になったと推測される時期もあったようだが、ブラームスが彼女と結婚することはなかった。またアガーテ・フォン・ジーボルト（いわゆる『[[シーボルト事件]]』で著名な[[フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト]]の従兄弟の子に当たる）と婚約しながら、「結婚には踏み切れない」との理由で一方的に破談にしたこともある。

[[1862年]]から[[ウィーン]]に居着いたブラームスは以降、作曲に集中し始め、『[[ドイツ・レクィエム]]』などの作品で高い評価を確立し、偉大な作曲家の一人として注目を集める存在となり、[[ウィーン国立音楽大学|ウィーン音楽院]]でも講座を持つようになった。ウィーン移住からおよそ10年後の1876年に、19年の歳月をかけた交響曲第1番を完成させた。この作品は後に指揮者のビューローをして「ベートーヴェンの10番目の交響曲の様だ」と語らしめた。彼の他の3つの交響曲は、それから比較的短い間隔で書き上げられ、第1番から間もない[[1877年]]には[[交響曲第2番 (ブラームス)|第2番]]が、[[1883年]]に[[交響曲第3番 (ブラームス)|第3番]]が、そして[[1885年]]に最後の[[交響曲第4番 (ブラームス)|第4番]]が、それぞれ発表された。

ブラームスはしばしば春の[[イタリア]]を訪問し、気持ちの良い地方の場所を捜して夏の間に作曲した。[[1889年]][[12月2日]]、[[トーマス・エジソン]]の代理人の依頼で｢[[ハンガリー舞曲]]第1番｣を[[蓄音機]]に録音した<ref>ハンガリー舞曲は当初録音を恥ずかしがったブラームスがさっさと演奏を始めてしまい、立会人があわてて「1889年12月、(リヒャルト・)フェリンガー博士邸、ただいまの演奏はブラームス博士!ヨハネス・ブラームスのものだ」と叫んでいるのが冒頭にかぶっている。テンポは相当速かった。</ref>。このとき、初めて自身の老いを自覚したと言われている<ref>[[1997年]][[8月31日]]に[[TBSテレビ|TBS]]系列で放送された『過ぎし日のブラームス～没後100年に聴く幻のピアノ録音～』（[[北海道放送]]製作）でこの説が唱えられている。この番組では、[[北海道大学]]の[[伊福部達]]らにより蝋管の[[レーザー光線]]による再生が試みられたが、蝋管自体の損傷が酷く、貧弱な音しか得られなかった。</ref>。翌[[1890年]]、57歳になり意欲の衰えを感じたブラームスは作曲を断念しようと決心して遺書を書き、手稿を整理し始めた。

しかし彼は自身の決心を守ることができなかった。クラリネット奏者[[リヒャルト・ミュールフェルト]]の演奏に触発されて創作意欲を取り戻したブラームスは、[[クラリネット三重奏曲 (ブラームス)|クラリネット三重奏曲]]（作品番号114）、[[クラリネット五重奏曲 (ブラームス)|クラリネット五重奏曲]]（作品番号115、1891年）、2つの[[クラリネットソナタ (ブラームス)|クラリネット・ソナタ]] （ヴィオラ・ソナタ）（作品番号120、1894年）を書き上げた。そして、『8つの小品』（作品番号76、1871年）から『4つの小品』（作品番号119、1892年）までの5つのピアノ小品集、『4つの厳粛な歌』（作品番号121、1896年）などの傑作を生み出した。これらの作品は、晩年の寂寥と宗教的境地に満ちていると評価されている。また、[[1890年]]ごろには[[琴]]の演奏も聞いており、当時出版された日本の民謡集の楽譜に書き込みが残されている<ref>研究者の間では、当時オーストリアの全権公使だった[[戸田氏共]]夫人極子([[1859年]]-[[1936年]])がウィーン公使館において琴を演奏したのをブラームスが聴いたのではないかと言われている（[[関東大震災]]により戸田邸が全焼したため、上記の楽譜以外に確証といえるものは残っていない）。この出来事を題材として、日本画家・[[守屋多々志]]は「ウィーンに六段の調（ブラームスと戸田伯爵極子夫人）」（[[1992年|平成4年]]第77回[[院展]]出品、大垣市守屋多々志美術館所蔵）を描いた。また、上記の『過ぎし日のブラームス~没後100年に聴く幻のピアノ録音~』でもこの話が取り上げられた。</ref>。

[[1897年]][[4月3日]]、[[肝臓癌]]によりウィーンで逝去した。63歳没。遺体は中央墓地に埋葬された。ハンブルクの生家は長く残っていたが、[[1943年]]7月の[[ハンブルク大空襲]]で焼失し、現在は記念碑がある。

ブラームスは[[フリーメイソン]]であった<ref>{{Cite book |year= 2000|title= The Cambridge Biographical Encyclopedia|publisher= Cambridge University Press|isbn= 0-521-63099-1}}</ref><ref>{{Cite web |url= http://www.lodgestpatrick.co.nz/famous.php|title= Famous Freemasons A-L|publisher= [[:en:Masonic Lodge|Lodge]] St. Patrick No.468 Irish Constitution|accessdate=2013-10-07}}</ref>。

== ブラームスに対する影響 ==
大部分のロマン派の作曲家と同様に、ブラームスはベートーヴェンを崇拝していた。

また古典派の作曲家[[ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト|モーツァルト]]と[[フランツ・ヨーゼフ・ハイドン|ハイドン]]を敬愛していた。彼らの作品の第一版と自筆稿（特に有名なのがハイドンの「[[太陽四重奏曲]]」、モーツァルトの[[交響曲第40番 (モーツァルト)|交響曲第40番]]である）を集め、そのうえ演奏用の版を編集した。古典派への愛情はジャンルの選択においても現れている。彼の手によるソナタ、交響曲と協奏曲では古典的な形式を採用し、ソナタ形式の楽章を作曲した。一般に、ブラームスは全てのロマン派の作曲家の中で最も古典派に近いと考えられており、「新古典派」という呼称で呼ばれることもある。

さらにはそれ以前の[[バロック音楽]]にも多大な関心を払っていた。とりわけ[[ヨハン・ゼバスティアン・バッハ|J.S.バッハ]]に心酔しており、当時刊行中だったバッハ作品の全集を購読して熱心に研究した。その成果として最も有名なものが第4交響曲の終楽章に置かれた「[[パッサカリア]]」である。そのテーマはバッハのカンタータ第150番の主題を応用したものである。また、バッハ研究家[[フィリップ・シュピッタ]]とも親交が深かった。また、歌曲「逆らえないもの "Unüberwindlich"」（[[ゲーテ]]詞）作品72-5では、冒頭のピアノパートに[[ドメニコ・スカルラッティ]]のソナタニ長調K.223を引用している。

ブラームスに対する全く異なる影響は [[民族音楽]]であった。ピアノと声楽のためにドイツ民謡による144曲の歌曲を書いており、彼の歌曲の多くは民族的な主題を反映するか、地方の生活場面を表現したものである。また、『ハンガリー舞曲集』で分かるように、レメーニから教わったジプシー音楽（当時はハンガリーの民俗音楽だと思われていた）の影響も受け、『[[ピアノ四重奏曲第1番 (ブラームス)|ピアノ四重奏曲第1番]]』などにその語法を取り込んでいる。

ブラームスは、彼の生きた時代にほぼ現在の形態に到達した[[ベーゼンドルファー]]や[[スタインウェイ]]に代表される[[ピアノ]]の、技術的な発達の影響を非常に大きく受けている。彼のピアノ音楽と歌曲の多くは、豊かで力強い音を得るためにピアノの重低音とペダルを使用する。

==後の時代への影響==
保守的とされるブラームスであるが、[[アルノルト・シェーンベルク|シェーンベルク]]<!--や[[ウェーベルン]]※要出典明記-->のようにブラームスの音楽に革新的要素を見出す人もいる<ref>アーノルト・シェーンベルク「革新主義者ブラームス（Brahms the Progressive）」『音楽の様式と思想 ''Style and Idea''』上田昭訳、三一書房、1973年。</ref>。シェーンベルクは、特に晩年の『4つの厳粛な歌』で見られる一つのモチーフの徹底的な展開、声とピアノによるカノン的書法などの対位法を「発展的変奏」（英語：developing variation）と呼び、自らの作品において展開することになる。また、[[ピアノ四重奏曲第1番 (ブラームス)|ピアノ四重奏曲第1番]]を管弦楽用に編曲しているが、この曲の冒頭の主題は4音からなる部分動機とその反行形から成り立っており、このような面を「節約、それでいて豊かであること」として高く評価した。

このほか、ブラームスの音楽は[[マックス・レーガー|レーガー]]<ref>長木誠司編著『作曲の20世紀ⅰ』音楽之友社、1992年、82頁。</ref>、[[ハンス・プフィッツナー|プフィッツナー]]<ref>同書、106頁。</ref>、[[フランツ・シュミット]]<ref>同書、118頁。</ref>、[[エルンスト・フォン・ドホナーニ]]<ref>門馬直美『西洋音楽史概説』春秋社、1976年、331頁。</ref>にも影響を与えている。

== ブラームスの性格 ==
[[ファイル:Strauss und Brahms.jpg|thumb|220px|ヨハン・シュトラウスⅡ世と共に]]
ブラームスはベートーヴェンと同様に自然を愛好し、よくウィーン周辺の森を散策した。その際にキャンディを持参して子供たちに与えたりもした。時に、大人に対しては無愛想で皮肉屋だった（このため、作品を貶された[[フーゴー・ヴォルフ]]や[[ハンス・ロット]]らは反ブラームスに転じた）。自分の気持ちを率直に伝えることが苦手で、自分の作品についても語ることを嫌がったという。ピアニストとしても優れていたため、友人のサロンなどでしばしば演奏を求められたが、求めに応じることは少なく、応じたときでも、いかにも弾き飛ばして早く終わらせようとしている様子を見せることが多かった。

彼と友人関係を保った人たちには、前述のクララ・シューマンとヨアヒム、外科医の[[テオドール・ビルロート]]、ピアノの弟子でもあったエリーザベト・フォン・ヘルツォーゲンベルクらがいたが、ヨアヒムやビルロートのような親友とも晩年に諍いを起こしている。

同時代の作曲家では[[ヨハン・シュトラウス2世]]と親交があり、シュトラウスはブラームスとその作品のよき理解者であった。実際、ある婦人に送った扇には、シュトラウスの代表作『[[美しく青きドナウ]]』の一節が書かれ、さらに「遺憾ながらこの曲はヨハネス・ブラームスの作にあらず」と書き込まれている。また、オペレッタ「くるまば草」の序曲の主題再現部に対旋律をプレゼントしている。

一方、唯一の作曲の弟子であった[[グスタフ・イェナー]]によると、音楽的に間違った音は一音たりとも弾かせず、曲の出来が悪いと「君に必要なのは才能だ」などと容赦なく罵倒した。しかし、その後イェナーが精神的に追い詰められているのを見て「これからも、私にほめてもらおうなんて思うんじゃない。これくらいのことで挫けていては、君の全てが台無しになってしまう」と励ます優しさもあったという。

1860年代以降、作品が人気を博して財政的成功を手に入れた後も質素な生活を好み、3部屋のアパートに家政婦と住んでいた。朝は[[プラーター公園]]を散歩し、昼には「赤いはりねずみ」というレストランに出かけるのが彼の習慣だった<ref>[[日本ブラームス協会]]の会誌の名前はこのことから「赤いはりねずみ」と名付けられている。</ref>。ブラームスは親戚たちへ金品を惜しみなく渡し、そのうえ匿名で多くの若い音楽家を支援した。また、[[アントニン・ドヴォルザーク]]の才能を見出し、支援したのもブラームスである（ブラームスは、彼のメロディーメーカーとしての才能を羨んで「彼の屑籠をあされば、交響曲が一曲書けるだろう」と語っている）。

[[リヒャルト・ワーグナー]]とは反りが合わなかった<ref>もっとも、ワーグナーはブラームス自身が演奏した『[[ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ]]』を聴いて、「古い様式でも、本当に出来る人にかかると、いろいろなことが出来るものだ」と評価している。（[[三宅幸夫 (音楽学者)|三宅幸夫]]『ブラームス』新潮文庫、1986年、92頁。）</ref>。そのワーグナーの影響を受けた[[アントン・ブルックナー]]ともしばしば衝突した（ブラームスは、ブルックナーの交響曲を「交響的大蛇」と貶している）。ブラームスはオルガニストとしてのブルックナーは高く評価していたが、ブラームスの支持者である評論家の[[エドゥアルト・ハンスリック]]とブルックナー支持者との間に論争が起こったので、勢い作曲家としては認めることはできなかった。それでも、同じウィーンに住む者同士の反目は良くないと間に立つ人がいて、両者はブラームス行き付けの「赤いはりねずみ」で会食した。このとき、2人とも肉団子が好物だった事がわかり、打ち解けた雰囲気となった。そのときのブルックナーの言葉は「ブラームス博士！　この店の肉団子こそ我々の共通点ですな！」。1896年のブルックナーの葬儀にはブラームスは会場の扉にたたずんでいた。中に入るように促されたが「次はわしが棺桶に入るよ」と寂しそうにつぶやいた。

ブラームスはドイツ[[愛国主義]]者でもあり、[[普仏戦争]]の勝利を祝った『運命の女神の歌』や、『ドイツ軍勝利の歌』などの作品を残している。彼の部屋にはベートーヴェンの像と、[[ドイツ帝国]]の宰相[[オットー・フォン・ビスマルク]]の像が飾られていた。一方、ユダヤ系事業家らと親交があったこともあり、「[[反ユダヤ主義]]は狂気の沙汰だ」と知人に語っている。{{要出典範囲|彼は国民主義者でありドイツゲルマン民族至上主義者ではなかった|date=2010年3月}}。

== ブラームス国際コンクール ==
{{main|ブラームス国際コンクール}}

== 作品 ==
{{main|ブラームスの楽曲一覧}}
ブラームスの主要作品には、4つの[[交響曲]]、2つの[[ピアノ協奏曲]]、[[ヴァイオリン協奏曲 (ブラームス)|ヴァイオリン協奏曲]]、合唱と管弦楽のための『[[ドイツ・レクイエム]]』などがある。これらの作品は世界各地の[[オーケストラ]]で、現在でも主要な演奏レパートリーとして取り上げられている。

また[[変奏曲]]の大家でもあり、管弦楽曲『[[ハイドンの主題による変奏曲]]』、ピアノ独奏曲『[[ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ]]』、『[[パガニーニの主題による変奏曲 (ブラームス)|パガニーニの主題による変奏曲]]』などがある。小品も数多く作曲しており、多くの[[室内楽]]作品と、独奏のための[[ピアノ]]作品がある。

さらには、最大の[[声楽]]の作曲家の一人であるという意見もあり、実際に200の[[歌曲]]や[[合唱曲]]を書いている。

しかし、ブラームスは[[歌劇]]を書くことはなく、また[[19世紀]]の音楽を特徴付ける[[交響詩]]には手を染めなかった。

== 代表曲 ==
{{listen
|header=ブラームスによるハンガリー舞曲 
|filename=Brahms - Hungarian Dance No. 1 (performed by the composer).oga
|title=Hungarian Dance no.1
|description=1889年12月2日録音。本記事「生涯」項目第5段落、注1言及。100年以上前の録音のため、音質は良くない。
|format=[[Ogg]]
}}
{{listen
|header=ブラームスによる「とんぼ」
|filename=J.Brahms plays Josef Strauss.1889..ogg
|title=ヨーゼフ・シュトラウス作「とんぼ」
|description=1889年12月2日録音。世界大戦の影響で音質がさらに悪化し、雑音の中からかすかにピアノの演奏が聴こえる。
|format=[[Ogg]]
}}
=== 交響曲 ===
* [[交響曲第1番 (ブラームス)|交響曲第1番]] ハ短調 op.68
* [[交響曲第2番 (ブラームス)|交響曲第2番]] ニ長調 op.73
* [[交響曲第3番 (ブラームス)|交響曲第3番]] ヘ長調 op.90
* [[交響曲第4番 (ブラームス)|交響曲第4番]] ホ短調 op.98

=== 管弦楽曲 ===
* [[セレナード (ブラームス)|セレナード第1番]] ニ長調 op.11
* [[セレナード (ブラームス)|セレナード第2番]] イ長調 op.16
* [[ハイドンの主題による変奏曲]] 変ロ長調 op.56a
* [[大学祝典序曲]] ハ短調 op.80
* [[悲劇的序曲]] ニ短調 op.81

=== 協奏曲 ===
* [[ピアノ協奏曲第1番 (ブラームス)|ピアノ協奏曲第1番]] ニ短調 op.15
* [[ピアノ協奏曲第2番 (ブラームス)|ピアノ協奏曲第2番]] 変ロ長調 op.83
* [[ヴァイオリン協奏曲 (ブラームス)|ヴァイオリン協奏曲]] ニ長調 op.77
* [[ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 (ブラームス)|ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲]] イ短調 op.102

=== 室内楽曲 ===
ブラームスは[[室内楽曲]]にも傑作が多い。

* [[ピアノ三重奏曲第1番 (ブラームス)|ピアノ三重奏曲 第1番]] ロ長調 op.8
* [[ピアノ三重奏曲第2番 (ブラームス)|ピアノ三重奏曲 第2番]] ハ長調 op.87
* [[ピアノ三重奏曲第3番 (ブラームス)|ピアノ三重奏曲 第3番]] ハ短調 op.101
* [[弦楽六重奏曲第1番 (ブラームス)|弦楽六重奏曲第1番]] 変ロ長調 op.18
* [[弦楽六重奏曲第2番 (ブラームス)|弦楽六重奏曲第2番]] ト長調 op.36
* [[ピアノ四重奏曲第1番 (ブラームス)|ピアノ四重奏曲 第1番]] ト短調 op.25
* [[ピアノ四重奏曲第2番 (ブラームス)|ピアノ四重奏曲 第2番]] イ長調 op.26
* [[ピアノ四重奏曲第3番 (ブラームス)|ピアノ四重奏曲 第3番]] ハ短調 op.60
* [[ピアノ五重奏曲 (ブラームス)|ピアノ五重奏曲]] ヘ短調 op.34
* [[チェロソナタ第1番 (ブラームス)|チェロソナタ 第1番]] ホ短調 op.38
* [[チェロソナタ第2番 (ブラームス)|チェロソナタ 第2番]] ヘ長調 op.99
* [[ホルン三重奏曲 (ブラームス)|ホルン三重奏曲]] 変ホ長調 op.40
* [[弦楽四重奏曲第1番 (ブラームス)|弦楽四重奏曲第1番]] ハ短調 op.51-1 
* [[弦楽四重奏曲第2番 (ブラームス)|弦楽四重奏曲第2番]] イ短調 op.51-2
* [[弦楽四重奏曲第3番 (ブラームス)|弦楽四重奏曲第3番]] 変ロ長調 op.67

* [[ヴァイオリンソナタ第1番 (ブラームス)|ヴァイオリンソナタ第1番「雨の歌」]] ト長調 op.78 - 自作の歌曲「雨の歌」を転用。
* [[ヴァイオリンソナタ第2番 (ブラームス)|ヴァイオリンソナタ第2番]] イ長調 op.100
* [[ヴァイオリンソナタ第3番 (ブラームス)|ヴァイオリンソナタ第3番]] ニ短調 op.108
* ピアノとヴァイオリンの為のスケルツォ（[[F.A.E.ソナタ]]の第3楽章） ハ短調 WoO 2

* [[弦楽五重奏曲第1番 (ブラームス)|弦楽五重奏曲 第1番]] ヘ長調 op.88
* [[弦楽五重奏曲第2番 (ブラームス)|弦楽五重奏曲 第2番]] ト長調 op.111
* [[クラリネット五重奏曲 (ブラームス)|クラリネット五重奏曲]] ロ短調 op.115
* [[クラリネット三重奏曲 (ブラームス)|クラリネット三重奏曲]] イ短調 op.114
* [[クラリネットソナタ (ブラームス)|クラリネットソナタ 第1番]] ヘ短調 op.120-1
* [[クラリネットソナタ (ブラームス)|クラリネットソナタ 第2番]] 変ホ長調 op.120-2

=== ピアノ独奏曲 ===
* [[ピアノソナタ第1番 (ブラームス)|ピアノソナタ第1番]] ハ長調 op.1
* [[ピアノソナタ第2番 (ブラームス)|ピアノソナタ第2番]] 嬰ヘ短調 op.2
* [[ピアノソナタ第3番 (ブラームス)|ピアノソナタ第3番]] ヘ短調 op.5
* [[シューマンの主題による変奏曲 (ブラームス)|シューマンの主題による変奏曲]] 嬰ヘ短調 op.9
* [[バラード (ブラームス)|4つのバラード]] op.10
* [[自作主題による変奏曲 (ブラームス)|自作主題による変奏曲]] ニ長調 op.21-1
* [[ハンガリーの歌の主題による変奏曲]] ニ長調 op.21-2
* [[ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ]] 変ロ長調 op.24
* [[パガニーニの主題による変奏曲 (ブラームス)|パガニーニの主題による変奏曲]] イ短調 op.35
* [[8つの小品 (ブラームス)|8つの小品]] op.76
* [[2つのラプソディ (ブラームス)|2つのラプソディー]] op.79
* [[7つの幻想曲 (ブラームス)|7つの幻想曲]] op.116
* [[3つの間奏曲 (ブラームス)|3つの間奏曲]] op.117
* [[6つの小品 (ブラームス)|6つの小品]] op.118
* [[4つの小品 (ブラームス)|4つの小品]] op.119

=== ピアノ連弾曲 ===
* [[ワルツ集 (ブラームス)|ワルツ集]] op.39
* [[ハンガリー舞曲|ハンガリー舞曲集]]（全4集、21曲） - 作品番号を付けず、「編曲」として出版された。

=== 声楽曲 ===
====合唱曲====
ブラームスは一時[[デトモルト]]で女声合唱団の指揮者をしていたことなどもあって、[[合唱|合唱曲]]を数多く作曲している。

* 『[[ドイツ・レクイエム]]』 op.45 - 一般的な[[レクイエム]]の祈祷文ではなく、[[マルティン・ルター|ルター]]による[[旧約聖書|旧約]]及び[[新約聖書]]のドイツ語訳から編集された。
* カンタータ『リナルド』 op.50
* [[アルト・ラプソディ]] op.53
* 勝利の歌（Triumphlied） op.55
* [[運命の歌 (ブラームス)|運命の歌]]（Schicksalslied） op.54
* 運命の女神の歌（Gesang der Parzen） op.89
* 悲歌（Nänie） op.82
* 埋葬（葬送）の歌（Begräbnisgesang） op.13
* 2つのモテット op.29
* 2つのモテット op.74
* 3つのモテット op.110
* 聖歌　op.30

==== 歌曲 ====
ブラームスは生涯におよそ300の歌曲を残している。以下はそのごく一部である。
*[[永遠の愛]]（Von ewiger Liebe）　op.43-1
*[[五月の夜]]（Die Mainacht）　op.43-2
*[[子守歌 (ブラームス)|子守歌]]（Wiegenlied） op.49-4
*[[甲斐なきセレナーデ (ブラームス)|甲斐なきセレナーデ]] （Vergebliches Ständchen）　op.84-4
*[[野の寂寥]]（Feldeinsamkeit）　op.86-2
*[[まどろみはいよいよ浅く]]（Immer leiser wird mein Schlummer）　op.105-2
*歌曲集「[[マゲローネのロマンス|ティークの『マゲローネ』によるロマンス]]」op.33
*[[4つの厳粛な歌]]　op.121

====重唱曲====
* 愛の歌　op.52
* 新しい愛の歌　op.65
* 4つの四重唱曲　op.92
* ジプシーの歌（Zigeunerlieder） op.103

== 注 ==
{{reflist}}

== 外部リンク ==
{{commons|Johannes Brahms}}
* [http://www.inkpot.com/classical/brahmskeys.html ブラームスが所有したのと同型のシュトライヒャーのピアノ]（ブラームスの自身のピアノは、第二次世界大戦の空襲で破壊された）。
* [http://web.archive.org/web/20040604044500/http://www.ongakunotomo.co.jp/ex/brahms/index01.html ブラームスは語る]（2004年6月4日時点の[[インターネット・アーカイブ|アーカイブ]]） - [[リヒャルト・ホイベルガー]]による回想録の抜粋。全体は[[音楽之友社]]から出版されている(ISBN 4276201772)。
* [http://www.classiccat.net/brahms_j/index.htm Classic Cat - ブラームスの mp3s]
* {{IMSLP|id=Brahms, Johannes}}
* [http://www.78rpm.net/column01.html ブラームスのピアノ自作自演]（ブラームス本人によるピアノ演奏録音についてのコラム）。
{{Normdaten|TYP=p|GND=118514253|LCCN=n/79/77221|VIAF=7573295}}
{{DEFAULTSORT:ふらあむす よはねす}}
[[Category:ドイツの作曲家]]
[[Category:ロマン派の作曲家]]
[[Category:ドイツのクラシック音楽のピアニスト]]
[[Category:ウィーン国立音楽大学の教員]]
[[Category:ドイツ系オーストリア人]]
[[Category:ハンブルク出身の人物]]
[[Category:フリーメイソン]]
[[Category:1833年生]]
[[Category:1897年没]]

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