フラウンホーファー線のソースを表示

[[Image:Fraunhofer lines.jpg|thumb|right|500px|フラウンホーファー線]]
'''フラウンホーファー線'''（フラウンホーファーせん）は、一連の[[スペクトル]]で、ドイツの物理学者[[ヨゼフ・フォン・フラウンホーファー]]の名前に由来する。太陽光の可視光スペクトルのなかに暗線として観測された。

[[1802年]]、イギリスの[[ウイリアム・ウォラストン]]が、太陽光のスペクトルのなかにいくつかの暗線の存在を報告した。[[1814年]]にフラウンホーファーは、ウォーラストンとは別に、暗線を発見し、系統的な研究を行い、570を超える暗線について波長を計測した。主要な線にAからKの記号をつけ、弱い線については別の記号をつけた。

[[グスターブ・キルヒホッフ|グスタフ・キルヒホッフ]]と[[ローベルト・ブンゼン]]によって、それぞれの線が、太陽の上層に存在するいろいろな[[元素]]や地球の大気中の酸素などによって吸収されたスペクトルであることが示された。

他の[[恒星]]の[[ドップラー効果]]によるフラウンホーファー線の波長のズレを調べることで、その恒星と太陽系との[[相対速度]]を知ることができる。

下表に主なフラウンホーファー線の記号と波長を示す。
{|
|-
|
{| class="wikitable"
|-
!記号
!元素
!波長 ([[ナノメートル|nm]])
|-
| y || [[酸素|O<sub>2</sub>]] || 898.765
|-
| Z || O<sub>2</sub> || 822.696
|-
| A || O<sub>2</sub> || 759.370
|-
| B || O<sub>2</sub> || 686.719
|-
| C || [[水素|H]] &alpha; || 656.281
|-
| a || O<sub>2</sub> || 627.661
|-
| D<sub>1</sub> || [[ナトリウム|Na]] || 589.594
|-
| D<sub>2</sub> || Na || 588.997
|-
| D<sub>3</sub> || [[ヘリウム|He]] || 587.565
|-
| E<sub>2</sub> || [[鉄|Fe]] || 527.039
|-
| b<sub>1</sub> || [[マグネシウム|Mg]] || 518.362
|-
| b<sub>2</sub> || Mg || 517.270
|-
| b<sub>3</sub> || Fe || 516.891
|-
| b<sub>4</sub> || Fe || 516.751
|-
| b<sub>4</sub> || Mg || 516.733
|}
|
{| class="wikitable"
|-
!記号
!元素
!波長 (nm)
|-
| c || Fe || 495.761
|-
| F || H &beta; || 486.134
|-
| d || Fe || 466.814
|-
| e || Fe || 438.355
|-
| G' || H &gamma; || 434.047
|-
| G || Fe || 430.790
|-
| G || [[カルシウム|Ca]] || 430.774
|-
| h || H &delta; || 410.175
|-
| H || Ca<sup>+</sup> || 396.847
|-
| K || Ca<sup>+</sup> || 393.368
|-
| L || Fe || 382.044
|-
| N || Fe || 358.121
|-
| P || [[チタン|Ti]]<sup>+</sup> || 336.112
|-
| T || Fe || 302.108
|-
| t || [[ニッケル|Ni]] || 299.444
|}
|}

C-、 F-、 G'-、 h- 線は水素の[[バルマー系列]] である。

{{デフォルトソート:ふらうんほおふああせん}}
[[Category:光学]]