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[[File:Cocktail - Nikolaschka.jpg|thumb|200px|ニコラシカ]] '''ニコラシカ'''(''Nikolaschka''、他、綴り方多数)とは、[[ブランデー]]をベース(基酒)とする[[カクテル]]であり、[[ショートドリンク]](ショートカクテル)に分類される。ところで、ニコラシカは、Nikolaschka以外にも、Nikolaschika、Nicolashka、Nicolaski、Nicolaskarなどと表記されることもある。[[アルファベット]]表記の場合、少なくとも7種類以上の綴り方があるとも言われる <ref name="oka_c100_p100"> 岡 純一郎 監修 『カクテルベスト100』 p.100 西東社 1991年7月30日発行 ISBN 4-7916-0927-1 </ref> 。 日本では、一般に、ニコラシカという呼称が広まっているものの<ref name="ina_c178_p47"> 稲 保幸 『カクテル こだわりの178種』 p.47 新星出版 1998年7月15日発行 ISBN 4-405-09640-6 </ref>、アルファベットでの様々な綴り方があるために、ニコラシカ以外にも、ニコラスキ、ニコラスキー、ニコラスカ、ニコラスカーなどと、[[片仮名]]表記も変わることがある。しかし本稿では、以降、ニコラシカという表記で統一することとする。 == 由来 == このカクテルは、[[ドイツ]]の[[ハンブルク]]で誕生したと言われている<ref name="fuku_cs_p177"> 福西 英三 『カクテルズ』 p.177 ナツメ社 1996年9月1日発行 ISBN 4-8163-1744-9</ref><ref name="oka_c100_p100">岡 純一郎 監修 『カクテルベスト100』 p.100 西東社 1991年7月30日発行 ISBN 4-7916-0927-1 </ref><ref>後藤 新一 監修 『カクテル・ベストセレクション100』 p.97 日本文芸社 1996年5月20日発行 ISBN 4-537-01747-3</ref><ref name="waka_b50_p132">若松 誠志 監修 『ベストカクテル』 p.132 大泉書店 1997年9月5日発行 ISBN 4-278-03727-9</ref><ref>オキ・シロー 『カクテル・コレクション』 p.149 ナツメ社 1990年3月24日発行 ISBN 4-8163-0857-1</ref><ref>澤井 慶明 監修 『カクテルの事典』 p.77 成美堂出版 1996年12月20日発行 ISBN 4-415-08348-X</ref>。ニコラシカというのは、[[ロシア]]の男性の代表的な名前の1つである、ニコライの愛称<ref name="fuku_cs_p177">福西 英三 『カクテルズ』 p.177 ナツメ社 1996年9月1日発行 ISBN 4-8163-1744-9</ref>。ドイツ産まれなのにもかかわらず、なぜニコラシカといったロシア風の名称が与えられたのかについては諸説あり、名称の由来はハッキリとしない。 == 特徴 == カクテルには基酒以外の酒が使用されることが多々あるが、ニコラシカの場合には、基酒であるブランデーのみを使用するという特徴がある。最大の特徴は、[[シェイカー (調理器具)|シェーカー]]や[[ミキシンググラス|ミキシング・グラス]]などで材料を混合して完成させるのではなく、口内で混ぜることで完成させるという点である。通常、[[バー (酒場)|バー]]などでは、注文したカクテルが完成された状態で客に提供されるが、ニコラシカは未完成の状態で客に提供される。 このカクテルは、ブランデーの入ったリキュール・グラスなどの上に、[[輪切り]]にした[[レモン]]が乗せられ、そのレモンの中央部に[[砂糖]]が盛られた状態で客に出されるため、グラスが帽子をかぶったような形をしている。日本では主に[[上白糖]]が使用されるため、砂糖を山型に整形するのが一般的だが、欧米では主に[[グラニュー糖]]が使用されるため砂糖は山型に整形しにくい。このため、日本で作られるニコラシカの方が、帽子の高さが高くなりやすい。未完成の状態で提供されるため、ニコラシカを飲む人は砂糖の量が調節可能で、このカクテルの特徴の一つとなっている。カクテルとしてはレモンと砂糖が加わるものの、事実上、ブランデーのストレートを一気飲みするため、使用するブランデーによって味わいが大きく変わる特徴も持つ。 == 標準的なレシピ == <!-- ブランデーや砂糖の量は、使用するグラス(詳しくは「備考」の節を参照のこと)、飲む人の好みなどによって量が左右される面があり、ニコラシカに関しては、一般的なカクテルとは違って、メジャー・カップでブランデーの分量を量るといったようなことをしません。つまり、ブランデーの量は、グラス1杯分(グラス8~9分目程度)という意味合いであり、使用するグラスの種類やその大きさによって、ブランデーの量は大きく変わるため、ブランデーの量については「適量」と表記。砂糖についても同様で、飲む人の好みによって大きく量が変わり、砂糖の盛り方によっても量が変わるため、砂糖の量についても「適量」と表記。--> * ブランデー - 適量 * レモン・スライス - 1枚 * 砂糖 - 適量 <!--砂糖の種類は、日本では主に上白糖、欧米では主にグラニュー糖を使用。しかし、他の砂糖も使われることもあり。他の場所に、砂糖の種類についての言及があるため、ここでは「砂糖」とだけ書き、詳しい説明は省略。--> === 作り方 === 読者の便利のため、「作り方」と「飲み方」に分割した。しかし、ニコラシカは口内で完成されるカクテルなので、作り方(提供の仕方)と飲み方(ニコラシカの完成)を、ここでまとめて記述する。 ==== 作り方 ==== # まず、リキュール・グラス(容量30ml程度)に、ブランデーを8〜9分目ほど注ぐ。(なお、他のグラスが使用されることもある。) # レモンを輪切りにする。この時、レモンは、砂糖を乗せるために、その重みに耐えられるよう、やや厚めにスライスする<ref name="ue_c_p86">上田 和男 『カクテル』 p.86 西東社 2001年3月15日発行 ISBN 4-7916-0994-8</ref>。 # グラスに蓋をするようにレモンの輪切りを置き、その上に砂糖を乗せる。砂糖は、山型に適量乗せれば良いが、上白糖のように固まりやすい砂糖を使用するのであれば、山型に整形するのが一般的。 ==== 飲み方 ==== # まず、輪切りにされたレモンの上に乗せられた砂糖の量が多過ぎるようであれば、ペーパーナプキンや灰皿などに捨てて、砂糖の量を調整する。 # 次に、砂糖が乗っているレモンの輪切りを手で二つ折りにして、[[果肉]]の部分を口に入れて噛み、搾り出されるレモンの果汁と砂糖を口内で混合する。この時、好みによって、レモンの果肉を噛み切って、果肉も混合してしまって構わない。なお、レモンの[[果皮]]など、余ったレモンはペーパーナプキンや灰皿などに捨てる。 # そして、甘酸っぱい味が口内に広がったら、グラスの中のブランデーを一気に口に入れる。ここでニコラシカは、ようやく完成する。 # 後は、そのまま飲めば良い。 === 備考 === * グラスは、リキュール・グラスの他にも、シェリー・グラスや小型の[[カクテル・グラス]]が用いられることもある<ref name="ina_c178_p47">稲 保幸 『カクテル こだわりの178種』 p.47 新星出版 1998年7月15日発行 ISBN 4-405-09640-6</ref><ref name="yama_c_p31">山本 祥一朗 監修 『カラー図解 カクテル』 p.31 成美堂出版 1994年12月10日発行 ISBN 4-415-07873-7</ref>。 ** シェリー・グラスや小型のカクテル・グラスが用いられることがあるのは、主に日本以外である<ref name="ina_c178_p47">稲 保幸 『カクテル こだわりの178種』 p.47 新星出版 1998年7月15日発行 ISBN 4-405-09640-6</ref>。 * ブランデーの量は、使用するグラスに合わせて調節する<ref name="yama_c_p31">山本 祥一朗 監修 『カラー図解 カクテル』 p.31 成美堂出版 1994年12月10日発行 ISBN 4-415-07873-7</ref>。 * レモンの果皮が嫌いな場合は、レモンを輪切りにしてから、果皮を剥ぐこともある<ref>上田 和男 監修 『カクテル・ブック』 p.63 西東社 1988年12月30日発行 ISBN 4-7916-0926-3</ref>。 * 日本では、砂糖をリキュール・グラス、または、メジャー・カップ、または、[[スプーン]]といったものを使って、山型に整形して、レモンの上に乗せるのが一般的である。 ** 砂糖は、様々な種類が使用されるが、グラニュー糖を使用する場合は、整形しにくいため、レモンの上に広げて乗せる<ref name="waka_b50_p132">若松 誠志 監修 『ベストカクテル』 p.132 大泉書店 1997年9月5日発行 ISBN 4-278-03727-9</ref><ref name="fuku_cs_p57">福西 英三 『カクテルズ』 p.57 ナツメ社 1996年9月1日発行 ISBN 4-8163-1744-9</ref>。 ** 日本には広く流通している上白糖などの固まりやすい砂糖が、欧米では手に入りにくい<ref name="fuku_cs_p57">福西 英三 『カクテルズ』 p.57 ナツメ社 1996年9月1日発行 ISBN 4-8163-1744-9</ref>。欧米では、ニコラシカにグラニュー糖が用いられるため、日本で作られるニコラシカよりも、砂糖が輪切りにされたレモンの上に広がった状態となっている。 * 飲む人の好みにより、砂糖に[[インスタントコーヒー]]の粉を混ぜることもある<ref name="fuku_cs_p57">福西 英三 『カクテルズ』 p.57 ナツメ社 1996年9月1日発行 ISBN 4-8163-1744-9</ref><ref>上田 和男 監修 『カクテル・ブック』 p.62 西東社 1988年12月30日発行 ISBN 4-7916-0926-3</ref><ref name="ue_c_p86">上田 和男 『カクテル』 p.86 西東社 2001年3月15日発行 ISBN 4-7916-0994-8</ref>。 ** 砂糖にインスタントコーヒーの粉を混合するのは、標準的な作り方とは言えないので、ニコラシカをバーなどで注文する時、インスタントコーヒーの粉も使って欲しい場合は、その旨を予め伝えておく必要がある。 == 関連項目 == * [[カクテル]] == 出典 == <references/> == 参考文献 == * 稲 保幸 『カクテル こだわりの178種』 新星出版 1998年7月15日発行 ISBN 4-405-09640-6 * 上田 和男 『カクテル』 西東社 2001年3月15日発行 ISBN 4-7916-0994-8 * 上田 和男 監修 『カクテル・ブック』 西東社 1988年12月30日発行 ISBN 4-7916-0926-3 * 福西 英三 『カクテルズ』 ナツメ社 1996年9月1日発行 ISBN 4-8163-1744-9 * 若松 誠志 監修 『ベストカクテル』 大泉書店 1997年9月5日発行 ISBN 4-278-03727-9 * 岡 純一郎 監修 『カクテルベスト100』 西東社 1991年7月30日発行 ISBN 4-7916-0927-1 * 後藤 新一 監修 『カクテル・ベストセレクション100』 日本文芸社 1996年5月20日発行 ISBN 4-537-01747-3 * 山本 祥一朗 監修 『カラー図解 カクテル』 成美堂出版 1994年12月10日発行 ISBN 4-415-07873-7 * オキ・シロー 『カクテル・コレクション』 ナツメ社 1990年3月24日発行 ISBN 4-8163-0857-1 * 澤井 慶明 監修 『カクテルの事典』 成美堂出版 1996年12月20日発行 ISBN 4-415-08348-X * 片方 善治 『洋酒入門』 社会思想社 1959年12月15日発行 * アンテナハウス 編集 『カクテル物語』 同文書院 1991年12月18日発行 ISBN 4-8103-7043-7 * 今井 清 『たのしむカクテル』 梧桐書院 1988年1月改訂版 ISBN 4-340-01204-1 {{DEFAULTSORT:にこらしか}} [[Category:ブランデーベースのカクテル]]
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