ドングリのソースを表示


[[ファイル:Donguri.jpg|thumb|240px|[[マテバシイ]]のドングリ]]
'''ドングリ'''（団栗、{{Lang-en-short|acorn}}）とは、[[ブナ科]]の、特に[[カシ]]・[[ナラ]]・[[カシワ]]など[[コナラ属]]樹木の果実の総称<ref name="植物の世界8-72">{{harvnb|植物の世界 8|p=72|ref="植物の世界8"}}</ref>である<ref name="世界有用植物事典p449">{{harvnb|世界有用植物事典 (1989)|p=449|ref="世界有用植物事典"}}</ref>。ドングリは、一部または全体を'''殻斗'''（かくと、{{Lang-en-short|cupule}}）に覆われる[[堅果]]であるが、これはブナ科の果実に共通した特徴であり、またブナ科にほぼ固有の特徴である。よって本項ではコナラ属以外のブナ科の果実についても述べる。

ブナ科の果実には、「どんぐり」以外の固有の名称を持つものもある。クリの果実は「栗」もしくは「栗の実」と呼ばれる。「椎（しい）の実」、「楢（なら）の実」の語もある。ブナの果実は「そばぐり」と呼ばれることもある。

== 概要 ==
ドングリは果実（堅果）であり、[[種子]]ではない。樹種により形状は多様であるが、ドングリに限らずブナ科の果実の共通の特徴として、先端はとがり、表面の皮は硬く、上部はすべすべして[[茶色]]、下部はぶつぶつした薄めの[[褐色]]である。果実の下部または全部を覆う[[おわん]]状・[[まり]]状のものは殻斗である。ドングリの殻斗は俗には「ぼうし」「はかま」などと呼ばれる。殻斗は[[総苞片]]が集まり、癒合変形、乾燥したものであり、ブナ科と[[ナンキョクブナ科]]<ref>殻斗を持つなど、ブナ属に酷似する果実をつけるナンキョクブナ科はブナ科に近縁である。かつてはブナ科のナンキョクブナ属に分類されていた。</ref>の果実特有のものである。このことから、かつてブナ科は殻斗科と呼ばれた<ref name="yokoyama">{{Cite journal|和書
|author = 横山和正
|year = 2006
|title = どんぐりを利用したブナ科植物の自然観察
|journal = 滋賀大学環境総合研究センター研究年報
|volume = 3
|issue = 1
|pages = 9-19
|publisher = [[滋賀大学]]
|issn = 1349-1881
|doi = 
|naid = 110006241175
|pmid = 
|url = http://rcse.edu.shiga-u.ac.jp/result/seika-03-2006.htm
|format = PDF
|accessdate = 2013-12-05
}}</ref>。ブナ科の堅果は、他の堅果と区別して'''[[殻斗果]]'''または'''どんぐり状果'''と呼ばれる。

ドングリのイメージとして、細長く、下部をぶつぶつとした殻斗が覆う、というものがしばしば見られるが、クヌギではドングリは丸く、殻斗は毛が生えたようになっている。クリまたスダジイなど殻斗がドングリ全体を覆うものもある。クリの殻斗は[[トゲ]]が生え、「イガ」と呼ばれる。

内部の種子の大部分を占める[[子葉]]は[[デンプン]]質に富み、人間を含む動物の[[食料]]になる。[[日本]]の古典的な[[玩具]]（[[独楽]]など）の材料にもなった。

== 分類と判別 ==
ドングリからその樹[[種 (分類学)|種]]を判別することは可能だが難しく、木自体を見る方がはるかにやさしい。ただし、[[属 (分類学)|属]]の見分けは比較的やさしい。以下は日本に自生するものの見分け方である<ref name="yokoyama" />。
{{Seealso|ブナ科#下位分類}}
* [[コナラ属]]コナラ亜属 - 果実の基部は湾入せず、殻斗は果実の基部を覆う。殻斗は鱗片状。
** [[ナラ]]の仲間（落葉樹）
*** [[アベマキ]] [[commons:Category:Quercus variabilis|{{Snamei|Quercus variabilis}}]]
*** [[カシワ]] [[commons:Category:Quercus dentata|{{Snamei|Quercus dentata}}]]
*** [[クヌギ]] [[commons:Category:Quercus acutissima|{{Snamei|Quercus acutissima}}]]
*** [[コナラ]] [[commons:Category:Quercus serrata|{{Snamei|Quercus serrata}}]]
*** [[ナラガシワ]] [[commons:Category:Quercus aliena|{{Snamei|Quercus aliena}}]]
*** [[ミズナラ]] [[commons:Category:Quercus crispula|{{Snamei|Quercus crispula}}]]
** [[カシ]]の仲間（常緑樹）
*** [[ウバメガシ]] [[commons:Category:Quercus phillyreoides|{{Snamei|Quercus phillyreoides}}]]
* コナラ属アカガシ亜属 - 果実の基部は湾入せず、殻斗は果実の基部を覆う。殻斗は輪層状。
** カシの仲間（常緑樹） - ウバメガシとシリブカガシはアカガシ亜属ではない。
*** [[アカガシ]] [[commons:Category:Quercus acuta|{{Snamei|Quercus acuta}}]]
*** [[アラカシ]] [[commons:Category:Quercus glauca|{{Snamei|Quercus glauca}}]]
*** [[イチイガシ]] [[commons:Category:Quercus gilva|{{Snamei|Quercus gilva}}]]
*** [[ウラジロガシ]] [[commons:Category:Quercus salicina|{{Snamei|Quercus salicina}}]]
*** [[オキナワウラジロガシ]] [[commons:Category:Quercus miyagii|{{Snamei|Quercus miyagii}}]] - 日本最大のドングリをつける。
*** [[シラカシ]] [[commons:Category:Quercus myrsinifolia|{{Snamei|Quercus myrsinifolia}}]]
*** [[ツクバネガシ]] [[commons:Category:Quercus sessilifolia|{{Snamei|Quercus sessilifolia}}]]
*** [[ハナガガシ]] {{Snamei|Quercus hondae}}
* [[マテバシイ属]]（常緑樹） - 果実の基部が湾入し、殻斗は果実の基部を覆う。2、3の殻斗が基部で癒合している場合がある。
** [[シリブカガシ]] [[commons:Category:Lithocarpus glaber|{{Snamei|Lithocarpus glaber}}]]
** [[マテバシイ]] [[commons:Category:Lithocarpus edulis|{{Snamei|Lithocarpus edulis}}]]
* [[クリ属]]（落葉樹） - 果実は稜が2つあり、殻斗が全体を覆う。ドングリとは呼ばれない。
** [[クリ]]（ニホングリ） [[commons:Category:Castanea crenata|{{Snamei|Castanea crenata}}]]
* [[シイ属]]（クリガシ属、常緑樹） - 果実は稜がなく、球状ー円柱状で、殻斗が全体を覆う。
** [[スダジイ]] [[commons:Category:Castanopsis sieboldii|{{Snamei|Castanopsis sieboldii}}]]
** [[ツブラジイ]] [[commons:Category:Castanopsis cuspidata|{{Snamei|Castanopsis cuspidata}}]]
* [[ブナ属]]（落葉樹） - 果実は稜が3つあり、三角錐状、殻斗が全体を覆う。普通はドングリとは呼ばれない。
** [[イヌブナ]] [[commons:Category:Fagus japonica|{{Snamei|Fagus japonica}}]]
** [[ブナ]] [[commons:Category:Fagus crenata|{{Snamei|Fagus crenata}}]]
<gallery>
ファイル:Quercus variabilis - Osaka Museum of Natural History - DSC07730.JPG|[[アベマキ]]
<!-- ファイル:|[[カシワ]] -->
ファイル:Quercus acutissima nuts 02 by Line1.JPG|[[クヌギ]]
ファイル:Quercus serrata - Osaka Museum of Natural History - DSC07721.JPG|[[コナラ]]
ファイル:Quercus aliena - Osaka Museum of Natural History - DSC07726.JPG|[[ナラガシワ]]
ファイル:Quercus crispula 2002-10-11.jpg|[[ミズナラ]]
ファイル:Quercus phillyreoides - Osaka Museum of Natural History - DSC07731.JPG|[[ウバメガシ]]
<!-- ファイル:|[[アカガシ]] -->
ファイル:Quercus glauca4.jpg|[[アラカシ]]
ファイル:Quercus gilva - Osaka Museum of Natural History - DSC07732.JPG|[[イチイガシ]]
<!-- ファイル:|[[ウラジロガシ]] -->
<!-- ファイル:|[[オキナワウラジロガシ]] -->
ファイル:Cyclobalanopsis myrsinifolia4.jpg|[[シラカシ]]
<!-- ファイル:|[[ツクバネガシ]] -->
ファイル:Lithocarpus glaber - Osaka Museum of Natural History - DSC07724.JPG|[[シリブカガシ]]
ファイル:Lithocarpus edulis - Osaka Museum of Natural History - DSC07723.JPG|[[マテバシイ]]
ファイル:Kuri02.jpg|[[クリ]]
ファイル:Castanopsis sieboldii nuts01.jpg|[[スダジイ]]
<!-- ファイル:|[[イヌブナ]] -->
<!-- ファイル:|[[ツブラジイ]] -->
ファイル:Fagus crenata seeds.JPG|[[ブナ]]
</gallery>

日本国外に分布するものでは多様な形状を示す。マテバシイ属のドングリには殻斗が全体を覆うものが多く存在する。シイ属では別名のクリガシ属が示唆する通り、クリ属のように複数の果実が[[イガ]]に覆われ、クリそのものの形をしたものも多い。[[北米]]には常緑樹でクリ属によく似た殻斗をつける{{仮リンク|トゲガシ属|en|Chrysolepis}}（{{Snamei|Chrysolepis}}。かつてはシイ属に含められていた）が2種が存在する。逆に、北米産の{{仮リンク|チンカピン|en|Castanea pumila}}（{{Snamei|Castanea pumila}}）はクリ属ではあるが、実には平たい面がなく、丸い。
<gallery>
ファイル:Quercus robur.jpg|[[ヨーロッパナラ]]<br />（コナラ属）
ファイル:Quercus macrolepis MHNT.BOT.2004.0.80.jpg|{{Snamei||Quercus macrolepis}}<br />（コナラ属）
ファイル:Chrysolepis chrysophylla Huckleberry BRP 1.jpg|{{Snamei||Chrysolepis chrysophylla}}<br />（トゲガシ属）
ファイル:Castanea pumila nsh-1a.jpg|{{仮リンク|チンカピン|en|Castanea pumila}}<br />（クリ属）
</gallery>

ブナ科ではないが、似た外見のものとして、[[ヘーゼルナッツ]]等の[[ハシバミ]]類（[[カバノキ科]]）の堅果や、[[トチノキ]]（[[トチノキ科]]または[[ムクロジ科]]）の種子（「とち」もしくは「とちのみ」と呼ばれる）がある。
<gallery>
ファイル:Corylus avellana.jpg|[[セイヨウハシバミ]]（カバノキ科）の堅果
ファイル:Tochinomi-marron.JPG|[[トチノキ]]（ムクロジ科）の種子
</gallery>

== 餌としてのドングリ ==
ドングリを作るブナ科植物は、[[暖帯]]から[[温帯]]にかけての[[森林]]では、どこでも主要な構成樹種である{{要検証|date=2010年6月}}。暖帯では常緑のシイ・カシ類が[[照葉樹林]]の主要構成樹種であり、温帯ではブナ・ミズナラなどが[[落葉広葉樹林]]の中で占める割合が大きい。人工的な撹乱がある場所では、クヌギ・コナラなどが出現する。

これらブナ科植物の果実は個々の果実も大きく、肥大した子葉に大量のデンプンを蓄え、また生産量も多いことから、特に[[哺乳類]]にとって、秋の重要な食料であり、ドングリの出来不出来が、森に棲む野生動物の秋から冬の生存に大きな影響をもたらす。[[2004年]]は、秋に[[北陸地方|北陸]]で多数の[[ツキノワグマ]]が人里に出没したことで話題をよんだが、この年の落葉樹林のドングリは不作だったとされている。

[[イベリコ豚]]の重要な[[飼料]]として、[[イベリア半島]]に自生する[[コルクガシ]]などのドングリが利用される。また、[[中央ヨーロッパ]]には{{仮リンク|ヨーロッパブナ (植物)|label=ヨーロッパブナ|en|Fagus sylvatica}}の林の中でブタを飼う養豚林がある<ref>{{Cite book|和書
|author = [[北村四郎]]
|others = 北村四郎ほか総監修
|title = 世界の植物 81 シラカンバ・ブナ
|year = 1977
|publisher = [[朝日新聞社]]
|series = 週刊朝日百科
|id = {{全国書誌番号|87050161}}
|isbn = 
|oclc = 704060968
|page = 1931
|chapter = 用途の広いブナ林
}}</ref>。日本でもかつてオキナワウラジロガシのドングリが豚の飼料として利用された。

== 種子散布システムとしてのドングリ ==
果実としてのドングリは、特に目立った[[種子散布]]器官を持たないように見えるため、古くは種子散布の形式を重力散布（つまり、落ちること）とみなされた{{要出典|date=2012-01-18}}。しかし、今日では上述の動物の餌としての重要性がこの仲間の種子散布に大きな役割を果たしているとされている。

ドングリを秋から冬にかけての重要な食料としている動物の中に、[[ネズミ]]類、[[リス]]類、[[カケス]]類のように林床に少数ずつ分散して埋蔵貯食するものがある。こうした動物が埋めたドングリは、大半が[[越冬]]時の食料として消費されるが、春までに一部が余って食べ残される。これが親植物から離れた地点で発芽して新世代の植物となる。また、ドングリは乾燥に弱く、単に林床に落ちただけでは乾燥によって速やかに[[発芽]]能力を失うことが多い。ネズミ等による貯食は、この乾燥から免れる効果もあるとされている。

[[イノシシ]]、[[シカ]]等の大型[[哺乳類]]の採餌により森林の下草、[[ササ]]などが取除かれ、蹄耕により[[土壌]]が露出すると、そこにはネズミ、リス等の[[げっ歯類]]、カケス類がドングリを埋められる条件が生まれてくる。ドングリを作るブナ科の植物はネズミ類、リス類が誕生する以前、約6,500万年前の[[白亜紀]]にはすでに出現していたことが明らかになっており、土壌の攪乱を当時の大型の草食[[恐竜]]が担い、当時の小型だった哺乳類の祖先がネズミやリスの代わりを担っていたと推定されている<ref>{{Cite book|和書
|author = 渡邊定元
|title = 植物の世界 87 ヤマモモ・クリ・ブナ
|year = 1995
|publisher = 朝日新聞社
|series = 週刊朝日百科
|id = {{全国書誌番号|97064004}}
|isbn = 
|oclc = 675699660
|page = 8-74
|chapter = 恐竜と共存して進化したミズナラ
}}</ref>。

== 人間との関わり ==
=== 食品 ===
ドングリは[[苦味|渋み]]（主に[[タンニン]]や[[サポニン]]）が非常に強く、一般に人間がそのまま食用とするには適さないが、スダジイ、ツブラジイなど一部の種では[[甘み]]があって渋みがなく、渋抜きせずに生あるいは炒ってそのまま食べられる。また、[[縄文時代]]においては、渋抜きをして食用にしていたと考えられている。その後も[[飢饉]]や[[太平洋戦争]]直後の食糧難時代によく利用されたのみならず、[[米]]の栽培困難な[[東北地方|東北]][[山村]]などいくつかの地域では、[[大正]]期あたりまで主食格の食品として重要であった。ドングリの渋抜きの方法としては、流水に数日さらす方法と、[[煮沸]]による方法がある。特に煮沸の場合、[[木灰]]汁を用いることがある。日本においては、前者は主に[[西日本]]から広がる照葉樹林帯の地域で、後者は東北地方や[[長野県|信州]]に広がる落葉広葉樹林帯で認められる。また、渋みの少ない種の場合は、から煎りでもあく抜きになる。
* 渋がほとんどないドングリ - スダジイ、ツブラジイ、クリ
* 渋が少ないドングリ - マテバシイ、イチイガシ、ブナ、イヌブナ、シリブカガシ
* 渋があるドングリ - コナラ、ミズナラ、クヌギ、アベマキ、カシワ、ナラガシワ、ウバメガシ
* 渋が多いドングリ - シラカシ、アラカシ、アカガシ、ツクバネガシ、ウラジロガシ、オキナワウラジロガシ、ハナガガシ

[[北海道]]の[[アイヌ]]民族はドングリを「ニセウ」と呼んでいた。秋にトゥンニ（ミズナラ）やコムニ（カシワ）の果実を拾い集め、何度もゆでこぼしてアクを抜いたものを、シト（[[団子]]）やラタシケプ（[[煮物]]）に加工して食べた。

[[北上山地]]の[[村落|山村]]では、ナラ（ミズナラ）の果実を粉砕して皮を除き、湯、木灰汁などを用いて渋抜きした「シタミ粉」と呼ばれるものが作られていた。シタミ粉は通常湯で戻し、[[粥]]状にして食べた。[[熊本県]]では、カシ類（イチイガシ）の実から採取したデンプンで作る、「イチゴンニャク」や「カシノキドーフ」、あるいはシイの実を用いた「シイゴンニャク」といった[[葛餅]]状の食品が知られている。[[長野県]][[木曽郡|木曽地方]]等では、[[地域興し]]の一環として[[どんぐりコーヒー|ドングリコーヒー]]を提供しているほか、[[パン]]や[[クッキー]]等の材料としても用いられている。
<!-- 縄文時代の遺跡からドングリが出土することがあり、稲作以前にも日本に農耕文化があったことが示唆されている。←考えてみると、ドングリ発見が農耕文化の証明って、筋違いでは？まさかドングリ作ってたと判断したわけではないでしょうし-->

[[大韓民国|韓国]]では、ドングリ（[[朝鮮語|韓国語]]で「トトリ（{{Lang|Ko|도토리}}）」）から採取したデンプンを、「ムク（{{Lang|Ko|묵}}）」と呼ばれる葛餅ないし[[ういろう (菓子)|ういろう]]状の食べ物（[[トトリムク]]）にする。元々は食料が不足していた時代や、飢饉の年に食べられた救荒食料だが、一部の地方で受け継がれ、最近では[[健康食品]]として見直されたことにより、大量生産されて市場に流通している。[[大衆食堂]]で[[副食]]として出されることが多いが、最近では[[クッパ (料理)|クッパ]]のように[[飯]]と一緒に[[スープ]]に入れた「トトリムク・パプ（{{Lang|Ko|도토리묵 밥}}＝トトリムク飯の意）」が一品料理にもなっている。また、以前は、皮を剥いてから、水さらしと加熱によって渋抜きをしたドングリの果実を用い、米と炊いたドングリ飯、また粉を用いたドングリ[[餅]]、ドングリ粥、ドングリ[[うどん]]、ドングリ[[すいとん|水団]]なども作られていたようである。

=== 利用 ===
玩具や[[工芸品]]の材料として用いられる。例えば、軸を付けて[[ヤジロベエ]]や独楽（コマ）などの玩具とする。

=== 文化 ===
* [[ことわざ]]・[[慣用句]]
** 団栗の背比べ - 抜きん出たものが存在しない集団をあざけって言うこと。似たり寄ったりで、大きな差がないこと。人のことをとやかく言う本人が、それと同じような状態にあること。
** どんぐりまなこ - 大きな丸い目のこと。
* [[随筆]]
** [[寺田寅彦]]『団栗』（1905年） - 『[[ホトトギス (雑誌)|ホトトギス]]』に掲載された。
* [[童話]]
** [[宮沢賢治]]『[[どんぐりと山猫]]』
* [[童謡]]
** 『[[どんぐりころころ]]』
<!-- ドングリを含む文化的事項は多い。特記事項には当たるまい
* [[どんぐり植えたら]]（蜂谷清香の[[歌]]）-->

=== どんぐり銀行 ===
{{main|どんぐり銀行}}

「どんぐり銀行」と呼ばれる、子ども向けの地域活動がある<ref>{{Cite web
|author = どんぐり銀行事務局
|date = 2013-11-22
|url = http://www.pref.kagawa.jp/midoriseibi/donguri/
|title = どんぐり銀行
|work = 
|publisher = [[香川県]]環境森林部みどり整備課
|accessdate = 2013-12-05
}} - 香川県 県民総参加のみどりづくり事業。</ref><ref>{{Cite web
|author = ベネリック株式会社
|date = 
|url = http://www.benelic.com/company/donguri_bank.html
|title = どんぐり銀行 - 
|work = 会社概要
|publisher = 
|accessdate = 2013-12-05
}}</ref>。おおむね共通して、ドングリをお金に見たて、一定数たまると、たとえば[[苗木]]を送ってくれるというものである。遺伝子撹乱の恐れがあるため、収集するドングリは産地管理が求められている。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}

== 参考文献 ==
{{参照方法|section=1|date=2013年12月5日 (木) 08:26 (UTC)}}
* {{Cite book|和書| authors =  | editor= 堀田 満、緒方 健、新田 あや、星川 清親、柳 宗民、山崎 耕宇| title = 世界有用植物事典 | publisher = 平凡社 |location =  | year = 1989 | pages = | isbn = 4-582-11505-5|ref="世界有用植物事典"}}

* {{cite book |和書| author=朝日新聞社 |first=| year = 1997 | title = 朝日百科植物の世界 | volume= 8|publisher = 朝日新聞社| location = | isbn = 978-4023800106 | pages = |ref="植物の世界8"}}

* {{Cite book|和書
|author = [[北村四郎]]
|coauthors = 村田源
|title = 原色日本植物図鑑 木本編2
|year = 1979
|publisher = [[保育社]]
|series = 保育社の原色図鑑
|id = {{全国書誌番号|80002955}}
|isbn = 
|oclc = 47396876
|page = 
}}
* {{Cite book|和書
|author = 茂木透写真
|others = 高橋秀男・勝山輝男監修
|title = 樹に咲く花 離弁花1
|year = 2000
|publisher = [[山と溪谷社]]
|series = 山溪ハンディ図鑑
|isbn = 4-635-07003-4
|pages = 208-281
|chapter = ブナ科
}}
* {{Cite book|和書
|author = 平野隆久写真
|coauthors = 片桐啓子文
|title = 探して楽しむドングリと松ぼっくり
|year = 2001
|publisher = [[山と溪谷社]]
|series = 森の休日
|isbn = 4-635-06321-6
|pages = 4-39
}}
* {{Cite book|和書
|author = 伊藤ふくお
|others = 北川尚史監修
|title = どんぐりの図鑑
|year = 2001
|publisher = [[トンボ出版]]
|isbn = 4-88716-144-1
|pages = 
}}
* {{Cite book|和書
|author = 徳永桂子
|others = 北岡明彦監修・解説
|title = 日本どんぐり大図鑑
|year = 2004
|publisher = [[偕成社]]
|isbn = 4-03-971140-8
|page = 
}}
* {{Cite book|和書
|author = いわさゆうこ
|others = 八田洋章監修
|title = どんぐりハンドブック
|year = 2010
|publisher = [[文一総合出版]]
|isbn = 978-4-8299-1176-1
|pages = 
}}

== 関連項目 ==
{{Wiktionary|どんぐり}}
<!-- {{Wikispecies|Fagaceae|ブナ科}} -->
{{Commonscat|Fagaceae fruit|ブナ科の果実}}
* [[ブナ科]]
* [[果実]]、[[殻斗果]]
* [[縄文クッキー]]
* [[どんぐりコーヒー]]
* [[イベリコ豚]]
* [[どんぐり銀行]]

== 外部リンク ==
* {{Cite web
|author = [[波田善夫]]
|date = 
|url = http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/choripetalae/fagaceae/fagaceae.htm
|title = ブナ科　Fagaceae
|work = 植物雑学事典
|publisher = [[岡山理科大学]]生物地球学部
|accessdate = 2013-12-05
}}

{{DEFAULTSORT:とんくり}}
[[Category:ブナ科|*とんくり]]
[[Category:種実類]]
[[Category:森林]]
[[Category:飢饉]]
[[Category:日本の食文化]]
[[Category:韓国の食文化]]
[[Category:秋の季語]]