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カノン (美術)
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'''カノン'''は、[[美術]]において、[[古代ギリシア]]の古典期、人体表現において、各部分の合体に対する、または各部分相互の比率を意味した。また、宗教のカノン([[聖典]])の意味に準じ、様々なものがカノンと呼ばれている。 [[紀元前5世紀]]の彫刻家[[ポリュクレイトス]]は『カノン』を著し、人体の理想的比率を理論的に追求した。この書物は、僅かな断片のみが今日伝わる。また彼は、実際の彫刻においても実践し、「槍を持つ人(ドリュフォロス)」がこの理論を具現化したものとして、当時の人々は、この彫刻をも「カノン」と呼んだ。こちらも、今日ではローマ時代の模刻のみが伝わるだけで、その理論の詳細は明らかでない。 [[画像:Da Vinci Vitruve Luc Viatour.jpg|thumb|ウィトルウィウス的人体図<br/>ヴェネツィア・アカデミア美術館蔵<br/>Leonardo da Vinci draws the human body]] ローマ時代の建築家[[ウィトルウィウス]]は、カノンをレグラ regula(regular の語源)とラテン語に訳し、人体の理想的比率を建築の原理に応用することを試みた。 主にウィトルウィウスの書物を通じて、この理論は西洋[[中世]]にも伝えられたが、再び大きな脚光を浴びたのは、[[ルネサンス|ルネサンス期]]においてである。[[ルネサンス]]の芸術家は競って人体の理想的状態を研究したが、[[レオナルド・ダ・ヴィンチ]]が描いた『[[ウィトルウィウス的人体図]]』が、その絶好の例として挙げられよう。[[デューラー]]もまた、人体の理想的比率の研究に深くのめりこんだが、[[ミケランジェロ・ブオナローティ|ミケランジェロ]]がこれを揶揄した逸話はよく知られている。 == 関連項目 == * [[美術解剖学]] [[Category:ギリシア美術|かのん]] [[Category:彫刻|かのん]] [[Category:建築史|かのん]] [[Category:美術の技法|かのん]] [[Category:絵画技術|かのん]]
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