高速道路

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ファイル:US 131, M-6, 68th St interchange.jpg
ミシガン州ワイオミング国道131号線M-6及び68th Streetのインターチェンジ。中央線を境に通行方向が区分され、上下分離による交差点除去や出入り口制限の実施といった高速道路の特徴を示している。

高速道路(こうそくどうろ、日本の英語表記はExpressway)とは自動車のみの通行に限定され、一般道路からの出入り口がインターチェンジなどに制限された道路のことである。地域の道路網の中で基幹的な役割を担うことが多い。

概要

高速道路とは交差点をなくすなどの出入り口制限の実施や、上下分離することで高速走行を可能とした道路のことである。国や地域によって名称や規格などは異なっている。高速道路の役割としては国や地域の道路網の中核を担う役割を担っている。また、平行して走る一般道路の渋滞緩和の効果もある。道は、居眠り運転防止のため少し荒くしてある。

日本においては一般的には高規格幹線道路高速自動車国道など)を示すものとなっているが、正式には「~自動車道」を名称としているものが多い。また、地域高規格道路バイパス道路なども構造的に高規格幹線道路に近いものが採用されているものについては高速道路と認知されている場合もある。

大都市圏内の移動を目的とする高速道路は都市高速道路と呼ばれる。都市高速道路では土地などの制約が強く、都市間を結ぶ道路と比較すると線形や速度規制が厳しい場合が多い。都市高速道路の役割としては都市間を結ぶ道路とは異なり、通勤・通学や買い物などの日常的な利用が多いとされる。

歴史

ファイル:Mappa storica A8.svg
1924年に建設された世界初の高速道路である、現在のイタリアのA8及びA9に当たる区間の路線図。

1907年にはアメリカにおいて高速道路の建設が始まっており、第一次世界大戦後にはドイツにおいてアウトバーンが建設された。また、第一次世界大戦後のアメリカではパークウェイフリーウェイが建設されていった。

初期の高速道路は軍事目的の側面が強かった(アウトバーン滑走路としても使うことが検討された)が、次第に経済発展の目的が強くなっていった。

1963年7月16日に、日本において初めて高速自動車国道として、名神高速道路栗東IC-尼崎ICが開通した。

幾何構造

ファイル:Highway 401.png
カナダオンタリオ州Highway 401. トロントに通じる4重高速道路が特徴のコレクター・エクスプレス・フリーウェイ構造の例。

高速道路は高速走行を容易にするため、設計上カーブの曲率勾配(アップダウン)を緩和した線形としている。また、対向車線の自動車との衝突をさけるために中央分離帯が設けられることもある。故障した場合に停車できるために路肩のスペースも広く設けられている場合が多い。

高速道路は原則として信号機交差点を極力設けないなど他の道路とは独立しており、他の道路や鉄道とは立体交差されている。高速道路への流入は交差点を用いず、インターチェンジ(IC)を用いる。また信号機も使用しない。特に高速道路同士での交差は、ジャンクションと呼ばれる。

そのため高架盛土などの構造物を建設して、その上に作られる場合もある。山間部のような地形では、トンネルも多用される。

高速道路の途中にはパーキングエリア(PA)やサービスエリア(SA)といった休憩スペースやガソリンスタンドなどが設けられている。サービスエリアなどではドライバーの仮眠や食事などが行えるほか、地域のおみやげものなどが購入できるようになっている場合もある。
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交通運用

高速道路の管理はその高速道路によって様々であり、事業主体も異なる。ただ全体的に見た傾向では、政府の管理下にあるものが多い。

開発途上国においては建設費の財源として世界銀行政府開発援助による融資を受けて、公共事業として行われることが多々ある(日本においても名神高速道路などが世界銀行の融資によって整備された[1])。

高速道路は出入り口制限されているために料金を徴収する場合がある。料金については日本のように有料だったものを低価格化している場合もあれば、ドイツのように長年無料だったものが料金徴収を始めたケースもあるなど様々である。有料の場合ではITSの導入の一環としてや料金徴収所での渋滞を緩和するために無線通信による自動料金収受システム(ETCなど)の導入が進んでいる。

料金

有料の場合と無料の場合がある。ドイツなどでのアウトバーン、イギリスなどでのモーターウェイでは基本的に無料である。またアメリカやオーストラリアのフリーウェイも基本的に無料である。

フランスのオートルートも「道路は無料」という原則にたっているが、高速道路法によって許可会社(SEMなど)が有料で道路を建設できるとされたため、事実上有料制が採られている。ただし、公共性の観点から無料であるべき道路や機能上重要な路線、いわゆる都市内高速道路や港湾道路、国境近郊の道路は無料である。

ポーランドのアウトストラーダ (ポーランド)も原則無料である。それに対し、イタリアのアウトストラーダは有料である。

日本では地方の路線などで一部無料の場合があるが、一般に有料である。民主党は高速道路無料化をマニフェストで提唱し、2010年度には高速道路無料化社会実験を一部路線で実施した。 テンプレート:Main

高速道路の事故

テンプレート:See also 高速道路は一般道路と比較すると線形などの条件もよく走りやすく交差点なども少ないため交錯する危険性も少ないため、事故の発生率は低い[2]。しかし、高速での事故となるために死亡事故などの重大事故となりやすいなどの問題がある。

高速道路では直線区間が長く続くと催眠効果により運転者の眠気を誘ったり現実感の喪失等による交通事故につながる可能性があるため、直線で建設が可能な地形であっても意図的にカーブ部分を造ることがある。

世界の高速道路

国単位

国家間をまたぐ高速道路

脚注

  1. 昭和毎日:名神高速道路が部分開通 - 毎日jp(毎日新聞)
  2. 【伊東大厚のトラフィック計量学】高速道路と交通事故

関連項目

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